5. 毎月約2.7万円の赤字。老後家計にかかる支出の現実

総務省の「家計調査(家計収支編)2025年」によれば、75歳以上の無職・二人以上世帯の家計は、毎月平均で約2万7000円の赤字となっています。

前章で触れた貯蓄額のデータ(貯蓄・負債編)とは集計が異なるため、「平均貯蓄額から毎月これだけ取り崩している」と直接結びつけることはできませんが、一般的なシニア家計において「毎月の不足分(年額換算で約32万円)を手元の資産などでカバーする必要がある」という傾向は読み取れます。

今後の資金計画を考える上で、こうした収支の現実に対して留意しておきたいポイントが3つあります。

5.1 「ゆとりある老後生活」を想定した場合の不足額

1つ目は、この赤字額が「日常生活」を前提とした平均的な数字である点です。

生命保険文化センターの調査によれば、「ゆとりある老後生活」には夫婦で月平均39万1000円が必要とされており、その場合不足額はさらに拡大します。