総務省発表の2026年4月分消費者物価指数(※)は前年同月比1.4%上昇となり、物価上昇傾向が続いています。
帝国データバンクの調査でも、今年の値上げ食品は5年連続で年間1万品目を突破する見通しとされ、家計への影響は深刻です。
「銀行に預けているだけではお金の実質的な価値が減ってしまう」という懸念から、老後に向けた資産運用への関心を持つ人もいるでしょう。
そこで注目されているのが、投資の利益が非課税になる「新NISA」です。ただし、投資には元本割れのリスクもあるため、制度を正しく理解して活用することが大切です。
本記事では、新NISAの基本的な仕組みを解説するとともに、年利3%を想定したシミュレーションをご紹介します。
「毎月10万円を15年積み立て、その後15年運用した場合」と「毎月3万円を40年積み立てた場合」で、資産がどう増えるか比較してみましょう。
※総合指数、および生鮮食品を除く総合指数
1. 【新NISAの基本】2024年から始まった新制度のポイントをわかりやすく解説
2024年から新しくなった「新NISA」は、投資で得られた利益が非課税になる制度が大幅に拡充されたものです。
以前の制度と比較して1年間に投資できる金額が増え、非課税で資産を保有できる期間も無期限になったことで、より長期的な視点での資産形成がしやすくなったのが大きな特徴です。
この制度は「成長投資枠」と「つみたて投資枠」という2つの枠から成り立っており、ご自身の投資目的やスタイルに応じて使い分けたり、両方を併用したりできます。
1.1 「成長投資枠」の概要
成長投資枠は、個別の株式や多種多様な投資信託など、比較的幅広い商品を対象とした投資枠です。
- 年間の投資上限額:240万円
- 非課税保有期間:無期限
- 主な投資対象:上場株式、ETF、投資信託など
短期的な売買から長期保有まで、さまざまな運用スタイルに対応可能で、積極的に資産を増やしたいと考える方に適しています。
1.2 「つみたて投資枠」の概要
つみたて投資枠は、長期の積立投資に適していると国が認めた一定の基準を満たす投資信託などが対象です。リスクを分散しながら長期間にわたって資産を積み立てたい方に向いています。
- 年間の投資上限額:120万円
- 非課税保有期間:無期限
- 主な投資対象:長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託、ETF
毎月コツコツと積み立てていくことを前提に設計されており、市場の短期的な価格変動に一喜一憂しにくいという特徴もあります。
生涯非課税限度額と枠の再利用について
新NISAでは、生涯にわたって非課税で投資できる上限額として1800万円が設定されています(このうち、成長投資枠で利用できるのは最大1200万円まで)。
この限度額の範囲内であれば、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を自由に組み合わせて利用できます。
さらに、保有している商品を売却した場合、その商品を取得したときの価格分の非課税枠が翌年以降に復活し、再利用できるのも大きなメリットです。ライフステージの変化や家計の状況に応じて、柔軟に資産の配分を見直せるようになっています。
