個人向け国債は、利子および元本の支払いを国が約束する金融商品です。近年は利率も上昇してきていることもあり、発行額は増加傾向にあります。

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個人向け国債とは

出所:財務省「個人向け国債」

個人向け国債は条件が毎回異なります。本記事で最新の2026年6月募集分の条件を確認しましょう。また、300万円を購入したときに受け取れる利子総額も解説します。

1. 【2026年6月分】個人向け国債《変動10年・固定5年・固定3年》利率が最も高いのは?

個人向け国債の金利2/3

個人向け国債の金利

出所:財務省「個人向け国債の金利情報」

1.1 個人向け国債の適用利率(2026年6月募集分)

  • 変動10年:1.74%(前年同月比:+0.74ポイント、前月比:+0.07ポイント)
  • 固定5年:1.86%(同+0.86ポイント、-0.03ポイント)
  • 固定3年:1.51%(同+0.72ポイント、-0.06ポイント)
    ※変動10年は初回

2026年6月に募集される個人向け国債には、運用期間や金利タイプが異なる3つの種類が用意されています。半年ごとに適用利率が見直される変動10年の金利は初回が1.74%、満期まで金利が変わらない固定5年は1.86%です。

また、同じく購入から満期まで適用される金利が一定に保たれるタイプである固定3年の金利は、1.51%に設定されています。

2. 【シミュレーション】個人向け国債「300万円」買ったら利益はいくら?

個人向け国債300万円購入時の累計受取利子(2026年6月募集分、税引後)3/3

個人向け国債300万円購入時の累計受取利子(2026年6月募集分、税引後)

出所:財務省「発行条件」より著者作成

個人向け国債を300万円購入し、それぞれ満期まで保有した場合に受け取れる利息の合計額を試算します。

2.1 変動10年の300万円購入シミュレーション(2026年6月募集分)

  • 利払日:毎年1月15日および7月15日
  • 償還日(満期日):2036年7月15日
  • 初回利率:1.74%(税引後:1.3865190%)
  • 税引後初回利子:2万797円
  • 保有中の税引後利子総額:41万5940円
    ※保有中の税引後受取利子総額は利率が変動しない場合

変動10年は初回利率が1.74%、税引後が1.3865190%となりました。300万円購入したとき、2027年1月に受け取る初回の利子は税引後で2万797円です。これを10年間(20回)受け取った場合、受取利子の総額は41万5940円となります。

ただし、変動10年は実勢金利に応じて半年ごとに適用利率の見直しが行われる仕組みとなっています。そのため、実際の受取利息は今後の金利変動によって変わる点に注意が必要です。

ここでの試算は、便宜上「10年間金利が一切動かなかった場合」を想定して計算された数値となっています。

2.2 固定5年の300万円購入シミュレーション(2026年6月募集分)

  • 利払日:毎年1月15日および7月15日
  • 償還日:2031年7月15日
  • 利率:1.86%(税引後:1.4821410%)
  • 税引後利子:2万2232円
  • 保有中の税引後利子総額:22万2320円

次に、固定5年を300万円購入したとき、1回あたりの受取利子は税引後で2万2232円です。これを5年間(10回)受け取った場合、税引後の受取利子総額は22万2320円となります。

2.3 固定3年の300万円購入シミュレーション(2026年6月募集分)

  • 利払日:毎年1月15日および7月15日
  • 償還日:2029年7月15日
  • 利率:1.51%(税引後:1.2032435%)
  • 税引後利子:1万8048円
  • 保有中の税引後利子総額:10万8288円

同様に、固定3年を300万円購入したとき、1回あたりの受取利子は税引後で1万8048円、3年間(6回)保有した場合は総額10万8288円です。

3. 【個人向け国債】中途解約OK!でも知っておきたい注意点とは

個人向け国債は、発行から1年が経過した後は、満期前であっても中途換金を行うことができます。中途換金は1万円単位で行うことが可能であり、まとまった資金必要になった際にも対応できる仕組みです。

3.1 途中売却は1年分の利子を失う

ただし、満期前に中途換金をする際には、直近1年(2回)分の各利子相当額に0.79685を掛けた金額が差し引かれるルールとなっています。0.79685を掛けた金額は、税率(20.315%=0.20315)を差し引いた実際の受取利子に相当する金額です。

つまり、個人向け国債を途中売却すると、直前1年間の手取り利子を失うことになります。

もっとも、中途解約で差し引かれる金額は、すでに受け取っているお金です。したがって、差し引きで損失が出るわけではありません。

3.2 利率の高い債券へ乗り換えても利回りが低下することがある

損失が出ないとはいえ、安易な乗り換えには注意が必要です。直近1年分の利子を失うペナルティを踏まえると、より利率の高い債券へ乗り換えたとしても、トータルの利回りが下がってしまうケースがあります。

例えば、1年目に固定5年を利率1.8%で購入後、2年目に同じ固定5年が利率2.0%で新たに募集された場合を考えてみましょう。一見すると、利率が高い新しい債券に乗り換えた方が得に思えます。しかし、乗り換え時に1年目の利子(1.8%分)を失うため、当初5年間で受け取れる利子を比較すると次のようになります。

・乗り換えた場合:(1.8%×1年間×0)+(2.0% × 4年間) = 8.0%分
・保有継続した場合:1.8% × 5年間 = 9.0%分

乗り換えることで、受取利子が1.0%分も少なくなりました。
損失が出ないからといって、利率だけに目を向けた安易な乗り換えは行わず、慎重に判断するようにしましょう。

4. 【まとめ】個人向け国債は運用期間と金利見通しで選ぼう

個人向け国債の2026年6月分の適用利率は変動10年が1.74%(初回)、固定5年が1.86%、固定3年が1.51%です。

固定5年が最も高くなっていますが、利率だけで判断しないようにしましょう。先述のとおり、中途解約は1年分の受取利子を失うためです。満期まで無理なく保有できるよう、運用期間に合わせて年限(10年・5年・3年)を選択することが基本です。

運用期間を長く取れる場合、金利のタイプ(変動・固定)も論点となります。運用期間を10年と置いた場合、固定5年×2という選択肢もありますが、金利の上昇を見込むなら、保有中も利率が見直される変動10年を選びたいところです。

個人向け国債は、購入前に運用期間と金利の見通しを確認し、自分の状況に合った種類を選ぶようにしましょう。

参考資料

若山 卓也