7月7日に厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年5月分結果速報」によると、常用労働者1人当たりの平均賃金を示す就業形態計の現金給与総額(規模5人以上)は31万1165円(前年同月比3.2%増)、パートタイム労働者でも11万3759円(同1.5%増)となりました。
日々の暮らしの中で、将来に備えてコツコツと貯金に励んでいる方は多いのではないでしょうか。しかし、昨今のインフレによる物価高を前に、「ただ銀行に預けておくだけで、本当に将来の資産を守り、増やしていけるのだろうか」と不安を覚えることもあるかもしれません。
実は、毎月同じ金額を積み立てるにしても、銀行口座に眠らせておくのと、税制面で大きなメリットがある「新NISA」で運用するのとでは、数年後に手元に残る金額に決定的な差が生まれることがあります。
特に15年間という長期にわたって継続した場合、その差額は驚くほど大きなものになり得ます。
そこで今回は、毎月の預金と新NISAを活用した積立投資を比較し、15年後にどれほどの資産の開きが出るのか、具体的なシミュレーションデータを用いて詳しく検証していきます。
1. この記事の3つのポイント
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毎月10万円を15年間、銀行預金(年0.6%)で積み立てた場合の資産額は約1883万円 -
同条件を新NISAで運用すると、利回り3〜10%で預金との差は+379万円〜+2101万円に -
差を生む「複利」の仕組みと、無理なく続けるための考え方を紹介
2. 「月10万円」を15年続けた場合の貯金額はいくら?
結論から申し上げますと、毎月10万円を銀行預金として積み立てた場合、15年間での元本は合計「1800万円」となります。
近年は日本銀行の利上げの影響もあり、メガバンクの定期預金は年0.6%前後まで上昇していますが、資産を大きく増やすには十分とはいえない水準です。
仮に年0.6%の複利で15年間預け続けた場合、得られる利息は約83万円(税引前)にとどまり、最終的な資産額はおよそ1883万円となります。
ただし、利息には約20%の税金がかかるため、実際に手元に残る金額はこれより少なくなります。
加えて注意したいのがインフレの影響です。
年2%の物価上昇が続いた場合、15年後には同じ商品を購入するのに現在の約1.35倍の金額が必要になります。
そのため、預金額自体は増えていても、お金の実質的な価値は下がる可能性があります。
このように、預金は元本が減りにくいという安心感がある一方で、利息は限定的であり、インフレの影響によって実質的な資産価値が目減りする可能性もあります。
では、同じ「月10万円」を積み立てる場合、より効率的に資産形成を目指す方法はないのでしょうか。
そこで注目されているのが、税制優遇を受けながら投資ができる「新NISA」という制度です。
3. 効率的な資産形成をサポートする「新NISA」の魅力
新NISA(少額投資非課税制度)は、投資によって得られた利益に税金がかからない、国が用意した大変お得な制度です。
通常、投資信託や株式の売却益、配当金などには20.315%の税金が課されます。しかし、新NISA口座を利用して資産を運用すれば、これらがすべて非課税になり、利益をそのまま手元に残すことができます。
具体例を考えてみましょう。毎月10万円を銀行預金として積み立てた場合、15年間の元本は1800万円になります。年0.6%の複利で運用したとすると、最終的な資産額は約1883万円となり、約83万円の利息が生まれます。
この増えた分(利息)には通常、約20%の税金がかかりますが、NISA口座を介して同様の利益を得た場合、非課税のため利益が差し引かれることはありません。
以前からあったNISA制度ですが、2024年1月に大幅な見直しが行われ、さらに強力な「新NISA」へと生まれ変わりました。
3.1 制度開始から約2年が経過!新NISAの進化ポイント
新NISAは、従来のNISAと比較して非課税の枠や投資可能期間などが大幅に拡充され、個人の資産形成にとって格段に使いやすい仕組みへとアップデートされています。
かつての一般NISAや個人向けつみたてNISAでは、年間の非課税枠に厳しい制限が設けられていましたが、新NISAではその上限枠が大幅に拡大しました。これにより、よりまとまった資金を非課税で運用することが可能になっています。
さらに、旧制度では非課税となる保有期間に上限がありましたが、新NISAでは非課税保有期間が無期限化されました。これにより、途中で期限を気にすることなく、一生涯にわたる長期的な運用ができるようになっています。
では、この新NISAを活用して毎月10万円を積み立てた場合、15年後の資産にはどの程度の差が生まれるのでしょうか。
4. 【利回り別】新NISAで積立投資した場合、15年後の資産額はいくらになる?
本章では、毎月10万円を15年間積み立てた場合について、利回りごとのシミュレーションをもとに資産の変化を確認していきます。
4.1 利回り3%で運用した場合の資産額
毎月10万円を積み立て、期間を15年間、想定利回りを年3%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。
- 投資元本:1800万円
- 運用収益:462万円
- 資産合計(元本+収益):2262万円
4.2 利回り5%で運用した場合の資産額
毎月10万円を積み立て、期間を15年間、想定利回りを年5%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。
- 投資元本:1800万円
- 運用収益:848万円
- 資産合計(元本+収益):2648万円
4.3 利回り10%で運用した場合の資産額
毎月10万円を積み立て、期間を15年間、想定利回りを年10%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。
- 投資元本:1800万円
- 運用収益:2184万円
- 資産合計(元本+収益):3984万円
年利3%を想定したシミュレーションでは、15年間の積立による運用益はおよそ462万円となり、預金のみの場合と比べると、資産を増やす効果が期待できるといえるでしょう。
さらに、年利5〜10%で運用できた場合には、約848万円〜2184万円の運用益が見込まれ、最終的な資産額は元本を大きく上回ります。
毎月3万円など、より少額から始めた場合の新NISAシミュレーションや「ほったらかし」運用の考え方については、こちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
【新NISAシミュレーション】月10万円×15年積立+放置で資産はどう化ける?月3万円の少額戦略も公開
5. 資産差はいくら?「貯金 vs 投資」の決定的な違い
ここまで見てきたとおり、毎月10万円を15年間積み立てた場合、銀行預金では最終的な資産額は約1883万円にとどまります。
一方で、新NISAを活用した積立投資では、利回りによって大きな差が生まれます。
たとえば、年利3%で運用した場合は約2262万円となり、預金と比べて+379万円の差が生じます。
さらに、年利5%では約2648万円、年利10%では約3984万円となり、預金との差はそれぞれ+765万円、+2101万円に広がります。
この差を生み出している要因が「複利」です。
複利とは、運用によって得た利益が元本に組み込まれ、その利益にもさらに利益がついていく仕組みを指します。
積立投資の初期段階では、貯金との違いはそれほど大きくありません。
しかし、運用期間が長くなるにつれて利益が積み重なり、後半になるほど資産の増え方が加速していきます。
6. まとめ:新NISAを活用し、15年の積立でゆとりある将来を
シミュレーション結果からも明らかなように、資産形成を効率的に進めるためには「早く始めること」そして「長期間運用を続けること」が決定的な鍵となります。
特に「運用期間の確保」は、投資の最大メリットである複利効果を味方につける上で、最も重要と言っても過言ではありません。
将来の相場を完璧に予測することは不可能です。しかし、過去の実績を見れば、長期的な分散投資を行うことで、銀行預金を上回る成果が期待できる可能性は十分にあります。
新NISA口座を活用した積立投資をスタートする際は、まずは毎月の家計に無理のない積立額を設定し、途中で一喜一憂することなく根気強く継続していく姿勢が何よりも大切です。
【免責事項】
- 本記事は、公開されている公的資料および一般的な情報に基づき作成されたものであり、特定の制度・金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
- 掲載している数値・制度内容・シミュレーション結果は、一定の前提条件のもとでの試算または一般的な事例であり、実際の金額・支給要件・税制・運用成果等を保証するものではありません。制度内容は法改正・自治体運用・経済状況等により変更される可能性があります。
- 投資に関する記述は、将来の運用成果を示唆または保証するものではなく、元本割れを含むリスクが存在します。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行ってください。







