日々の暮らしのなかで、食料品や日用品、ガソリン代など身近な商品の値上がりを実感する場面が著しく増えています。
際、総務省が公表した2026年6月分の消費者物価指数(全国・2026年7月24日公表)によると、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比1.7%の上昇を記録しました。
また、帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査によれば、2026年8月の食品値上げ品目数は中東情勢に伴う原油・ナフサ高の影響も重なり2311品目に達し、家計への負担は深刻さを増しています。
これは、仮に100万円を「元本保証の定期預金」に置いて金利がつかないまま眠らせていても、インフレによってお金の実質的な購買力が低下し、モノやサービスを買う価値が目減りしている(実質的な購買力の目減りリスクを負っている)ことを意味します。
家計の消費支出に占める生活必需品(食料、光熱・水道など)の割合を示すエンゲル係数も上昇傾向にあり、生活への余裕のなさが浮き彫りに。
これまで日本では「元本が減らない預貯金こそが最も安全な資産防衛」と信じられてきました。
しかし、長寿化とインフレが同時進行する「人生100年時代」においては、ただ貯めるだけでなく、インフレに負けないスピードで資産を育てていく攻めの姿勢も求められます。
そこで今、運用益が非課税になる税制優遇制度「新NISA(少額投資非課税制度)」への関心が急速に高まっています。
この記事では、新NISAの基本的な仕組みから、最新の年代別貯蓄・有価証券保有の実態、そして具体的な積立シミュレーションの比較まで、これからの時代を生き抜く資産形成のヒントを詳しくご紹介します。
1. この記事の3つのポイント
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2026年6月分の消費者物価指数(総合指数)は前年同月比1.7%上昇、インフレ局面では預貯金の実質的な目減りリスクを意識した資産防衛が必要 -
2024年に開始された新NISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用でき、非課税保有期間が無期限のため長期投資に最適 -
年利3%の複利試算では、月10万円×15年で約3536万円、月3万円×40年で約2778万円となり、生活者調査からもルールに沿った継続の重要性が裏付けられます
2. 【2024年開始】新NISA制度のポイントを再確認
2024年からスタートした新NISAは、投資で得られた利益が非課税になる制度が拡充されたものです。
従来のNISAと比較して年間の投資枠が大きくなったほか、非課税で保有できる期間が無期限となり、より長期的な資産形成に活用しやすい制度へと生まれ変わりました。
「成長投資枠」と「つみたて投資枠」という2つの枠で構成されており、それぞれの特徴に応じて柔軟に使い分けることができます。
新NISAの仕組みについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事「新NISAは何歳から始められる?18歳以上の対象年齢と旧制度からの変更点・仕組みが初心者でもスッキリわかる基礎知識」もあわせてご覧ください。
3. 新NISAシミュレーション:「15年で1800万円埋めて放置」と「月3万円の40年積立」を徹底比較
積立投資は元本が保証されているわけではありませんが、長期間にわたって継続することで、着実な資産形成につながる可能性があります。
金融庁の「NISAの活用事例」を参考に、つみたて投資枠を活用したシミュレーションを見てみましょう。
3.1 シミュレーションA:月10万円を15年積立 → そのご据え置きで15年運用した結果
- 最終資産額:約3536万円(投資元本1800万円)
つみたて投資枠の年間上限額は120万円なので、毎月10万円を積み立てると15年間で生涯非課税枠である1800万円をちょうど使い切る計算になります。
その後も運用を続け、年利3%で資産が推移したと仮定した場合、資産額は約3536万円に達すると試算されています。
3.2 シミュレーションB:月3万円を40年間コツコツ積立投資した結果
毎月10万円といったまとまった金額の積立が難しい方でも、より少額から無理のない範囲で始めることは十分に有効です。
- 最終資産額:約2778万円(投資元本1440万円)
毎月3万円を40年間にわたって積み立てたケースでは、同じく年利3%での運用が続いたと仮定すると、40年間の積立元本は1440万円となり、最終的な資産額は約2778万円に達すると試算されています。
月3万円であれば、日々の家計を少し見直すことで、積立を続けられる方も多いのではないでしょうか。
毎月の積立額が大きくなくても、時間を味方につけて長期間運用を続けることで、着実な資産形成が期待できます。
4. 筆者からのコメント
シミュレーションを見ると夢が膨らみますが、これはあくまで一定の利率(年利3%)で安定的に運用できた場合の試算です。
実際の株式市場は常に変動するため、思うように増えない時期もあれば、元本を一時的に割り込む可能性も十分にあります。
大切なのは、日々の値動きに一喜一憂するのではなく、「長期・積立・分散」の原則を淡々と守り続けること。
生涯非課税枠の1800万円を使い切ること自体を目的にせず、まずは月5000円や1万円といった少額からでも、時間を味方にする仕組みを家計に組み込んでいく一歩を踏み出すことが、将来の安心へと繋がります。



