5. 【20歳代・30歳代・40歳代・50歳代・60歳代】年齢別データで見る「現金vs有価証券のバランス」~”元本保証だけ”からの脱却ステップ~
ライフステージが変化するにつれ、家計における現金と有価証券(リスク資産)のバランスはどのように変化しているでしょうか。
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年」によると、二人以上の世帯のうち勤労世帯における1世帯当たりの平均貯蓄額は1717万円で、そのうち株式や投資信託などの有価証券は370万円(21.5%)を占めています。
このデータを世帯主の年齢階級別に見ると、世代ごとのリアルな家計状況と投資行動の違いが浮き彫りになります。
5.1 20歳代:時間と割合で効率よく育てる
貯蓄額441万円のうち126万円を投資に回し、全年代で最高となる「28.6%」の割合でリスク資産を保有。
大型支出が少ない時期だからこそ、高めの割合で効率よく運用を始める傾向にあります。
5.2 30代〜50代:手元現金を増やしながら、投資額も着実に積み上げる
住宅ローンや教育費などの支出が膨らむ時期です。
貯蓄額を1074万円(30歳代)から1704万円(50歳代)へ伸ばして生活防衛資金を厚くする一方、有価証券の額も294万円(30歳代)から312万円(50歳代)へとコツコツ増やしています。
5.3 60歳代:退職資金(平均貯蓄2749万円)でインフレ防衛
退職金等により平均貯蓄額が2749万円へ急増する60歳代は、有価証券の額も50歳代の312万円から「674万円(割合24.5%)」へと一気に2倍以上へ拡大。
預貯金の目減りを防ぎ「資産寿命」を延ばすため、再び運用のエンジンをかける姿が浮かび上がります。
このように、全年代を通して「現金を確保する時期」と「資産を育てる時期」を賢く使い分けながら資産形成を行っているのが実態です。
ご自身の現在のライフステージと金額を照らし合わせながら、最適な配分を意識してみましょう。
6. 新NISAを始める前に!知っておきたい「リスク許容度」と注意点
新NISAで運用を始める際は、自分が耐えられる損失の度合いである「リスク許容度」を把握することが不可欠です。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年(二人以上世帯)」では、42.0%が元本割れを経験している一方、収益性のあるリスク商品の保有には46.1%が「全く保有したくない(安全性重視)」と答えるなど慎重な実態がうかがえます。
NISA口座は通常の口座と異なり、損失時に利益と相殺できる「損益通算」や「繰越控除」が適用されないため、元本割れを想定したリスク管理が欠かせません。
6.1 有価証券投資に関する注意事項(ディスクレーマー)
投資信託や株式は元本が保証された預貯金とは異なり、預金保険制度の対象外です。
市場や為替等の変動リスクにより元本を割り込み欠損が生じるおそれがあるため、目論見書等を必ず確認し、ご自身の責任と判断において投資を行ってください。
7. まとめ:年代に合わせて無理のない範囲で「長く続ける」ことが成功のカギ
新NISAは、「時間」を味方につけた資産形成を後押しする制度です。
若いうちは少額から、中高年層は余裕資金を活用するなど、世代に応じた運用が広がっています。
投資で最も大切なのは、万一の際に備える預貯金を確保し、「余裕資金の範囲内で継続すること」です。
インフレによって預貯金だけでは資産価値の維持が難しくなっている今、新NISAの知識を身につけ、将来の生活を守るための選択肢を一つ増やしてみてはいかがでしょうか。
8. 筆者からのコメント
新NISAは非課税期間が無期限になり、非常に使い勝手の良い制度に進化しました。
老後資金というと「長期間引き出せないのでは?」と心配される方もいますが、iDeCo(個人型確定拠出年金)とは異なり、NISAは必要な時にいつでも売却して現金化できるのが大きな強みです。
働き方が多様化し、転職や独立などキャリアの選択肢も広がる現代において、想定外の出費への備えとしても機能してくれます。
まずは少額からでも、時間を味方に「長く続ける」一歩を踏み出してみませんか。

