1. 【申請主義】老齢年金とは別に確認すべき「5つの公的給付」
今回取り上げる制度は、失業や再就職した方、賃金が低下した方、低所得世帯や扶養家族がいる方など、それぞれの事情を鑑みて、生活を支えるために給付されるお金です。
- 退職した → 再就職手当・高年齢求職者給付金
- 賃金が下がった → 高年齢雇用継続給付
- 年金収入が少ない → 年金生活者支援給付金
- 年下の配偶者や子を扶養している → 加給年金
それぞれの給付金について、詳しく見ていきます。
1.1 60代前半で再就職するなら「再就職手当」
再就職手当は、雇用保険の基本手当、いわゆる失業手当を受け取る資格がある人が、早めに安定した仕事に就いた場合に支給される制度です。
再就職手当の支給要件
- 対象者:雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人
- 支給要件:対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業を開始した場合で、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給
他にも待期期間や就職経路、1年を超えて勤務する見込みがあるなど、細かな要件があります。
再就職手当の額
- 所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して就職した場合:支給残日数の60%
- 所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合:支給残日数の70%
所定給付日数を一定程度残して就職することなどが必要で、残日数が多いほど給付率が高くなります。
1.2 60歳以降に給与が下がったら「高年齢雇用継続給付」
高年齢雇用継続給付は、60歳到達時などの賃金と比べて、各月の賃金が75%未満に低下したまま働く60歳以上65歳未満の人を支える制度です。
高年齢雇用継続給付の支給要件
- 対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者
- 支給要件:賃金が60歳到達時の75%未満となった状態で働き続ける場合
なお、2025年4月1日以降に60歳に到達する人の支給額は各月に支払われた賃金の10%が上限となります。2025年3月31日以前は上限が15%で、支給率が異なります。
高年齢雇用継続給付の支給額
最高で賃金額の10%(※)相当額
※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は15%
また、65歳前に老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働き、高年齢雇用継続給付を受けている場合は、賃金との調整に加えて、年金の一部が支給停止になることがあります。
雇用に関する給付金はいくつかあり、受け取ることで年金額に影響する場合もあるので、事前に調べておくことをおすすめします。
1.3 65歳以上で失業したら「高年齢求職者給付金」
65歳以上で雇用保険に加入していた人が離職し、働く意思と能力があるにもかかわらず仕事に就けない場合、高年齢求職者給付金の対象になる可能性があります。一般的な失業手当とは違い、一時金として支給されるのが特徴です。
高年齢求職者給付金の支給要件
- 対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で失業した人
- 支給要件:下記の全ての要件を満たした人
- 離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上ある
- 失業の状態にある(離職し「就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力(健康状態・家庭環境など)があり積極的に求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態」を指す)
高年齢求職者給付金の給付金額
- 被保険者であった期間が1年未満:30日分の基本手当相当額
- 被保険者であった期間が1年以上:50日分の基本手当相当額
支給額は、被保険者であった期間に応じて基本手当日額の一定日数分となります。
受給期限は離職日の翌日から1年です。手続きが遅れると満額を受け取れない場合があるので、離職票を受け取ったら早めにハローワークで確認することが大切です。


