6. 【老後資金】資産はどう取り崩すべきか 4%ルールから考える使い方

新NISAなどの資産形成では「どのように増やすか」に注目が集まりやすいものですが、老後を迎えた後は「どのように使うか」も同じくらい大切なテーマになります。資産は積み上げるだけで終わりではありません。

現役を引退した後は、公的年金だけでは足りない生活費を、これまで築いた資産を取り崩しながら補っていく「取り崩し期」に入ります。

実際に家計調査を見ると、世帯主が75歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)では、年金収入だけでは生活費をまかないきれず、毎月平均で約2万7000円を貯蓄の取り崩しによって補っている状況が確認できます。

こうした取り崩し期において、資産をできるだけ長く維持するための目安として広く知られているのが「4%ルール」です。

6.1 老後資産の目安として知られる「4%ルール」

4%ルールとは、「毎年、資産残高の4%を目安に少しずつ取り崩せば、長期間資産が枯渇しにくい」という考え方です。

たとえば、

  • 2000万円 → 年80万円(月約6万6000円)
  • 3000万円 → 年120万円(月10万円)

程度を取り崩すイメージになります。

老後は公的年金が家計の中心的な収入源になりますが、それに加えて毎月数万円を資産から補う形で考えると、将来の生活設計をイメージしやすくなるでしょう。

6.2 一括で使うより「少しずつ取り崩す」考え方

老後資金は、まとまった金額を一気に使うのではなく、毎月一定額を少しずつ取り崩していくのが基本的な考え方です。

  • 年金不足分だけ補う
  • 医療費や介護費に備える
  • 相場下落時の売却を避ける

といった目的に対応しやすくなり、結果として資産寿命を延ばしやすくなります。

平均寿命が延びるなかでは、「どれだけ増やせるか」だけではなく、「どれだけ長く持たせられるか」という視点も重要になっています。

6.3 4%ルールをそのまま当てはめるのは注意も必要

ただし、4%ルールは海外市場の長期データをもとにした考え方であり、日本でも必ず通用するとは限りません。実際には、

  • 年金額
  • 持ち家か賃貸か
  • 医療・介護費
  • 夫婦か単身か

などによって必要な生活費は大きく変わります。そのため、「4%なら大丈夫」と考えるのではなく、自分の家計で毎月どの程度不足するのかを把握することが重要です。

6.4 「増やす」だけでなく「使いながら守る」視点へ

資産形成では、「どの商品に投資するか」に関心が集まりがちです。しかし老後が近づくにつれて重要になるのは、「資産をどう取り崩し、どう長持ちさせるか」という視点です。

新NISAは資産形成を後押しする制度ですが、最終的には老後の生活費としてどのように活用するのかまで見据えることで、より現実的なライフプランにつながっていくでしょう。