年金の支給日に通帳を見て、「思っていたより少ないな」と感じたことはないでしょうか。
額面の数字と、実際に振り込まれる金額。このふたつのあいだに小さくない差を感じている方は、少なくないはずです。
厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2026年度の標準的な夫婦の年金額は月額「23万7279円」と示されています。
ただしここから税金や社会保険料が「天引き(特別徴収)」されるため、実際の手取りは「月20万円〜21万3000円」程度になることが多いとされています。
では、そもそも年金から天引きされるのはどんな人なのでしょうか。
この記事では、日本年金機構のFAQに沿って、特別徴収の対象になる人・ならない人の条件を整理していきます。
1. そもそも年金からの「天引き(特別徴収)」とは
「特別徴収」とは、年金から税金や保険料が自動で差し引かれる仕組みのことです。
自分で納付書を使って納める「普通徴収」と対になる言葉とも呼びます。
自治体で保険料の賦課や徴収を担当していたころにもよく耳にしてきたのは、「いつのまにか年金から引かれていた」「自分で納めるのと何が違うのか」という戸惑いの声でした。
制度の名前を聞いたことはあっても、誰が対象になるのか・どの保険料が引かれるのかまでは整理できていない、という方は多い印象です。
日本年金機構のFAQによれば、特別徴収の対象となる年金は、税金・保険料ごとに次のように示されています。
- 介護保険料:「老齢もしくは退職、障害または死亡を支給事由とする年金」を受けている方
- 住民税・森林環境税:「老齢もしくは退職を支給事由とする年金」を受けている方
また同FAQの留意事項として、「老齢もしくは退職を事由とする年金とは、老齢基礎年金もしくは旧法制度による老齢年金・退職年金を指します」と明記されています。
あわせて「老齢厚生年金は特別徴収の対象とはなりません」とも記されており、ベースとなる老齢基礎年金等から差し引かれる仕組みになっている、という整理になります。
