2026年も6月に入り、日差しが強くなる季節となりました。将来の生活設計を考える上で、社会保険料の動向は無視できない要素です。厚生労働省が公表した資料によると、令和8・9年度の後期高齢者医療制度の保険料率が引き上げられる見込みであることが明らかになりました。

この記事では、公表された見込み値を基に、最新の保険料額や都道府県ごとの負担額の違い、さらに2026年4月から始まった「子ども・子育て支援金制度」の影響について、わかりやすく解説します。

1. 後期高齢者医療保険料、2026年度の全国平均「月額7989円」に。変更点を解説

後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について1/2

出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」

令和8・9年度における後期高齢者医療保険料(医療分)は、被保険者一人当たりの全国平均で月額7989円になる見通しです。この金額は、令和6・7年度の平均額7411円と比較して、578円(7.8%)の増額となります。

1.1 保険料が上がる2つの要因:「医療費の増加」と「後期高齢者の負担割合引き上げ」

今回の保険料改定では、医療給付費の増加を背景とした保険料(医療分)の引き上げに加えて、新たに導入される支援金制度による上乗せも予定されています。

保険料が上昇する主な要因として、一人当たりの医療給付費が約4.89%増えること、そして医療給付費に占める後期高齢者の負担割合が13.27%に引き上げられることが挙げられます。ただし、過去の剰余金や財政安定化基金からの交付金を活用することで、保険料の急激な上昇を抑制する措置も講じられています。

2. 後期高齢者医療保険料、最高額と最低額の差は「月5362円」都道府県別ランキングをみる

後期高齢者医療保険料は、都道府県ごとに設置されている「後期高齢者医療広域連合」が決定するため、地域ごとの医療費の実情などに応じて金額が異なります。厚生労働省の公表資料『後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について』を基に、被保険者一人当たりの平均保険料額(月額)にどのくらいの地域差があるのか確認してみましょう。

2.1 【月額見込み】保険料が高い都道府県トップ5

  1. 東京都:1万352円
  2. 神奈川県:9842円
  3. 愛知県:9045円
  4. 大阪府:9010円
  5. 沖縄県:8731円

2.2 【月額見込み】保険料が安い都道府県トップ5

  1. 青森県:4990円
  2. 岩手県:5496円
  3. 福島県:5744円
  4. 秋田県:5847円
  5. 新潟県:5852円

保険料が最も高額な東京都と、最も低額な青森県を比較すると、月額で5362円もの差があり、2倍以上の開きがあることがわかります。居住地によって負担額が大きく変動する点は、事前に理解しておくべきポイントといえるでしょう。

3. 令和8年度から開始。「子ども・子育て支援金」の上乗せについて

「子ども・子育て支援金」とは、子どもや子育て中の世帯を社会全体で支援することを目的として創設された新しい制度で、高齢者を含む全世代と企業が負担します。後期高齢者医療制度の加入者は、令和8年度から全国平均で月額194円(年額2333円)が、保険料に「子ども分」として追加で徴収されることになります。

支援金の具体的な金額は、各都道府県の後期高齢者医療広域連合が条例で定めており、個人の所得などに応じて変動します。この制度は令和8年度から令和10年度にかけて段階的に導入される計画で、将来の徴収額については、各広域連合の議会で審議され、決定される見込みです。

4. 今後の生活設計のために、早めの情報収集を

この記事では、公表された後期高齢者医療制度の保険料率の見込みに基づき、令和8・9年度の保険料引き上げと、新設された支援金制度の概要を解説しました。

医療費の増加などを理由に、全国平均で月額7989円への値上げが見込まれるため、家計への影響が懸念されます。また、住んでいる地域によって保険料に大きな差があることも明らかになりました。ご自身の地域の保険料がいくらになるのか、関心を持たれた方もいるかもしれません。

これからの生活を安心して送るためにも、まずは自治体から送付される通知などをきちんと確認することが大切です。正確な情報を早めに入手することで、将来の暮らしに向けた準備を計画的に進めることができるでしょう。
※当記事は再編集記事です。

参考資料