社名だけを見ると「紡績」の会社だが、いまの日東紡績(3110)を動かしているのは、AIサーバー向けのガラスだ。

株価はこのところ激しく上下し、決算を受けて再び動いた。直近1カ月の値動きと決算の中身から、この会社の実力を読み解いていきたい。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

この記事の3つのポイント

  •  2027年3月期1Qは営業利益85%増、通期予想も上方修正
  •  牽引役はAIサーバー・半導体向けのスペシャルガラス
  •  株価はテーマ性で乱高下、電子材料の高採算が強み

1カ月で激しく上下、当日は反発

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出所:各種資料をもとに筆者作成

出所:各種資料をもとに筆者作成

日東紡績の株価は、直近1カ月で激しく上下を繰り返してきた。終値は7月30日の2,598円を安値に、8月上旬には3,555円まで駆け上がる場面もあった。1カ月で高値と安値の差が3割を超える、荒い値動きだ。

直近の8月12日は3,050円と、前営業日から8%あまり上昇した。値動きの荒さは、この銘柄が思惑で売買されやすいテーマ株であることを映している。

直近時点のPERは27.76倍、PBRは3.13倍となっている。

2027年3月期1Qは営業利益85%増、AI向けガラスが牽引

荒い値動きの一方で、足元の決算は力強い。2027年3月期1Qの売上高は340億円で前年同期比20.6%増、営業利益は79億円で同84.8%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は58億円で同84.2%増となった。

会社によれば、けん引役は電子材料事業だ。AIサーバー向けの需要拡大が続き、低い誘電特性を持つスペシャルガラスや、半導体パッケージ基板向けの低熱膨張のスペシャルガラスの販売が伸びたという。価格改定の効果も収益に寄与した。

この勢いを受けて、会社は通期予想も引き上げた。営業利益予想は従来の260億円から300億円へと上方修正している。株価が決算の前後で大きく動いた背景には、この上方修正への反応があったとみられる。

筆者コメント

今回の株価の荒い動きは、AIという強いテーマと、日東紡のスペシャルガラスが結びついたことの表れだと見ている。

1Qの営業利益が8割を超えて伸び、通期予想も引き上げられたことは、そのテーマが数字で裏づけられていることを示す。

ただ、テーマ株特有の値動きの荒さは、期待と失望が短い間隔で入れ替わりやすいことも意味する。決算の中身と株価の勢いは、分けて見ておきたい局面だ。