3. 鍵を握る商品戦略。海外偏重のラインナップと日本の現状
では、日産はこの強気な販売計画をどのように達成しようとしているのでしょうか。その鍵を握るのが「商品戦略」、つまりどのような新車を市場に投入するかです。
泉田氏は、自動車メーカーの業績回復において最も重要な要素を次のように断言します。
「やっぱり自動車メーカーで一番大事なのは、良い車種、良い商品があるかどうかなんで、そこにまず大きな要素はある」(泉田氏)
しかし、2025年度に投入された新型車のラインナップを見ると、ある特徴が浮かび上がります。それは「海外偏重」です。
中国市場向けの「N7」や「ティアナ」、欧州向けの「マイクラEV」や「キャシュカイ e-POWER」、米国向けの「ローグPHEV(プラグインハイブリッド車)」など、海外市場には次々と新車が投入されています。
また、オーストラリアなどで展開されるピックアップトラック「ナバラ」や「フロンティアプロ」といったニッチな需要を捉える車種も海外専用です。
一方で、日本市場向けの新型車は、電気自動車の「リーフ」と軽自動車の「ルークス」のみにとどまりました。さらに、日産の代名詞とも言えるスポーツカー「GT-R」の生産終了も発表され、日本の自動車ファンに衝撃を与えました。
インタビュワーが日本市場でのラインナップの少なさに疑問を呈すると、泉田氏は販売台数減少の明確な理由として指摘します。
魅力的な新車が出なければ、当然ながら販売台数は伸びません。日産は2026年度に向けて、日本市場でも小型SUV「キックス」や高級ミニバン「エルグランド」、SUV「ムラーノ」などの投入を計画しています。
特にエルグランドは、トヨタの「アルファード」や「ヴェルファイア」が独占する高級ミニバン市場への挑戦となります。
これらの新車が日本の消費者にどれだけ受け入れられるかが、日本市場での販売目標(7.9%増)達成の試金石となります。
