2. 全主要地域で販売減。25年度の苦境と「V字回復」への道筋

自動車メーカーの業績を左右する最大の要因は「販売台数」です。しかし、日産の2025年度の販売実績は、グローバル全体で厳しい結果となりました。

25年度地域別販売台数の前年比2/4

25年度地域別販売台数の前年比

出所:日産自動車「2026年3月期 決算説明会 参考資料」を基にイズミダイズム作成

地域別の販売実績を見ると、お膝元である日本市場が前年比13.5%減と大きく落ち込んでいます。

また、かつて強みを持っていた中国市場も同6.3%減、欧州市場も同9.7%減となりました。最も販売台数が多い北米市場(全体の約4割を占める)でさえ、前年比0.9%減と微減にとどまったものの、プラス成長には至りませんでした。

「どの地域もマイナス成長なんですよね」(泉田氏)

このように全地域で苦戦を強いられた日産ですが、会社側は2026年度に向けて強気の「V字回復計画」を掲げています。

26年度地域別販売台数計画3/4

26年度地域別販売台数計画

出所:日産自動車「2026年3月期 決算説明会資料」を基にイズミダイズム作成

2026年度の計画では、グローバル全体の販売台数を前年の315.1万台から330万台(前年比4.7%増)へと引き上げる目標を設定しています。

地域別に見ても、日本で7.9%増、中国で8.7%増、北米で2.2%増と、すべての主要地域で一転してプラス成長を見込んでいます。これにより、最終利益も200億円の黒字へと転換させる計画です。

この強気な計画に対し、泉田氏は機関投資家ならではの冷静な視点を提供します。

「24年度は334万6000台売ってたんで、330万台売ったことはあるんですよ。なので、今年の330万台予想ですよって言われると、できる実力はあるよねっていうところではあるんだけど、その前提をどう見るかってことですね」(泉田氏)

つまり、過去の実績からすれば不可能な数字ではないものの、前年度に全地域でマイナス成長だった状態から、一気に全地域プラスへと反転させる「前提」が本当に達成可能なのか、慎重に見極める必要があるということです。

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