2. 「10年で元が取れる?」老齢年金のコストパフォーマンス!シミュレーション結果をみる
公的年金には障害年金や遺族年金などがありますが、老齢年金について保険料負担と年金給付に的を絞ってコストパフォーマンスをシミュレーションしてみましょう。国民年金に加入している人が負担する保険料と受給する老齢基礎年金は次の通りです。
- 国民年金保険料:月1万7920円(2026年度)
- 老齢基礎年金の満額:年84万7300円(2026年度)
20歳から60歳まで国民年金保険料を納付すると保険料の合計は約860万円です。65歳から10年強で支払った保険料分は回収でき、85歳まで受給すると支払った分の2倍の年金が受給できる計算です。早期に亡くなると受給額は少なくなりますが、長生きするほど多くの年金が受け取れます。
会社員など厚生年金加入者の負担と給付の割合は少し異なりますが、概ね10年程度年金を受給すると、支払った保険料と同額またはそれ以上の年金を受け取れることになります。
3. 老後だけじゃない!現役世代こそ知るべき「年金の3大メリット」
年金制度の価値は、老齢年金のコストパフォーマンスだけではありません。知っておきたい3つのメリットを紹介します。
3.1 メリット①:「長生きリスク」に備える終身保障
老齢年金の最大のメリットは、一生涯支給され続ける「終身年金」である点です。長生きして老後資金が底をつく「長生きリスク」への備えとして有効であるからです。物価や賃金の変動に応じて給付水準も見直されるため、インフレ対策にもなります。
民間の個人年金保険の多くは10年・15年といった有期型であり、終身年金は保険料も高いため、人生100年時代と言われる中、終身保障は大きな安心材料となるでしょう。
3.2 メリット②:「障害年金」と「遺族年金」というリスク保障
公的年金の柱は、老齢年金と障害年金、遺族年金です。障害年金は、病気やケガで重い障害が残った場合に支給される年金で現役世代にとっては重要なセーフティネットです。遺族年金は、本人が亡くなった場合に配偶者や子どもなどに支給され、生命保険に近い役割を果たします。
老後保障だけでなく、障害や死亡に対する保障があることを考慮すると、公的年金のコストパフォーマンスは非常に高いと言っていいでしょう。
3.3 メリット③:国と企業による保険料負担
公的年金のコストパフォーマンスが高い理由は、本人が支払った保険料だけでなく国や企業が一定の費用を負担をしているからです。基礎年金の給付の費用は、その半分を国が負担しています。また、厚生年金保険料は、会社員と勤務先が折半して負担します。
さらに、自己負担した保険料の全額が社会保険料控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。国と企業の負担によって保険料負担が軽減されるとともに、税制上のメリットもあるのです。