3. 国民年金のみで生活は可能か?高齢単身世帯の家計収支を分析
2026年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額7万608円ですが、「年金だけで老後の生活をまかなえるのか」と不安に思う方も多いでしょう。
ここでは、実際の高齢世帯の家計収支データをもとに、老後生活で必要となる支出のレベルを確認します。
総務省「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、2025年における65歳以上の単身無職世帯の実収入は月平均13万1456円でした。そのうち、社会保障給付(主に年金収入)が12万212円と、収入の約9割を占めています。
一方で、消費支出は月額14万8445円、税金や社会保険料などの非消費支出が1万2990円となっており、収入だけでは不足し、差額の約2万9980円が赤字という状況です。
支出の内訳をみると、最も大きな割合を占めるのが「食料費」で28.7%、続いて「その他の消費支出」が21.3%、「教養娯楽費」が10.9%、「光熱・水道」が10.5%と続きます。
このデータから、生活費には食費や住居費だけでなく、医療費や交際費など多岐にわたる支出が含まれることがわかります。
国民年金のみを受給する場合、満額でも月額約7万円であるため、実際の生活費との間には大きな隔たりが生じる可能性があります。
では、厚生年金を含めた場合、シニア1人あたりの実際の受給額はどの程度なのでしょうか。
次の章で、厚生年金受給者の平均額や受給額の分布を詳しく見ていきます。
4. 厚生年金受給者の実態:月額15万円以上を受け取る人の割合は?
厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金受給者全体の平均月額は15万289円です。
この金額には、国民年金(老齢基礎年金)の受給分も含まれている点に注意が必要です。
ここでは、厚生年金の受給額ごとの人数分布を見ていきましょう。
4.1 厚生年金(基礎年金含む)の受給額別・人数分布
- 1万円未満:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
データを見ると、厚生年金を月15万円以上受給している人の割合は49.8%であり、全体の半数に達していないことがわかります。
なお、厚生年金を受給していない人も含めると、この割合はさらに下がると考えられます。

