終わりの見えない物価高が、私たちの家計に重くのしかかっています。帝国データバンクの調査によると、今年の飲食料品値上げはすでに累計1万品目を突破しました(※)。

いよいよ今月(6月)からはプラス改定された今年度の年金支給が始まりますが、物価の上昇ペースには追いつかず、実質的な目減りに不安を抱く声も少なくありません。

さらに2026年の日本では、「団塊の世代」がすべて75歳以上となり、後期高齢者が急増する段階に入っています。厚生労働省の推計では、今後およそ25年後には女性の平均寿命が90歳を超える見通しとなっており、私たちは「インフレ」と「老後の長期化」という二重の課題に向き合っていく必要があります。

長生きは喜ばしい一方で、老後期間が延びることで、生活費はもちろん、医療費や介護費への備えはこれまで以上に重要になっています。近年は、高齢夫婦のみ世帯の増加や認知症による長期介護も、家計を圧迫するリスクとして顕在化しつつあります。

本記事では、総務省や厚生労働省の公表データをもとに、75歳以上の後期高齢シニア夫婦の家計実態を整理します。「生活費」「年金収入」「資産寿命」という視点から現状を読み解きながら、後期高齢者医療制度や医療・介護費の負担についても確認していきます。

※株式会社帝国データバンク 「食品主要195社」価格改定動向調査―2026年6月速報(2026年6月2日公表)