3. 投資を始める前に把握したい「リスク許容度」の考え方
積立投資を始める前に、ご自身がどの程度の価格下落や損失に耐えられるか、いわゆる「リスク許容度」を把握しておくことが大切です。
リスク許容度とは、投資した資産の価値が一時的に下落した際に、精神的、あるいは経済的にどの程度まで耐えることができるかを示す度合いのことです。
例えば、同じ金融商品に投資していても、「10%の値下がりなら許容範囲だ」と感じる人もいれば、「5%の下落でも不安で仕方ない」という人もいるでしょう。
このような個人の感覚の違いが、どのような資産配分(ポートフォリオ)を組むべきかという判断に大きく影響してきます。
リスク許容度は、主に以下のような要素によって個人差が生まれます。
- 年齢や運用期間:一般的に、運用できる期間が長いほど、一時的な価格変動があっても時間をかけて回復を待つ余裕が生まれます。
- 収入や余裕資金の状況:日々の生活費や万が一のための緊急予備資金が十分に確保されていれば、より大きなリスクを取りやすくなります。
- 投資経験や性格:価格が下落したときに感じる不安の度合いは人それぞれです。ご自身の性格や過去の投資経験を振り返り、自分の感覚を理解することが重要です。
具体的に、「もし投資している金額が20%下落したら、自分の気持ちや生活にどのような影響が出るだろうか」と想像してみることで、ご自身のリスク許容度の目安を把握しやすくなります。
また、金融機関などが提供しているリスク許容度診断ツール(ここでは一例として全国銀行協会のツールを紹介します)などを活用すると、客観的な視点から判断する手助けになるでしょう。
事前にご自身のリスク許容度を理解しておくことで、「相場が下落した際に慌てて売却してしまった」あるいは「自分の許容度を超えたリスクを取ってしまい資産を大きく減らしてしまった」といった失敗を未然に防ぎやすくなります。
自分に合った投資戦略を立てる上で非常に重要な基礎となりますので、ぜひこの機会に考えてみてはいかがでしょうか。
4. 新NISAにデメリットはあるのか?注意点を解説
新NISAを始めるにあたって、デメリットについても気になる点かと思います。
新NISAでは投資できる上限額が拡大し、非課税期間も無期限になったため、より長期的な視点での計画が求められます。
ご自身のリスク許容度をしっかりと把握し、どのような状況になったら売却するのかといった出口戦略についても、あらかじめ考えておくことが大切です。
積立投資を長期間続ける中では、市場が大きく下落する局面に遭遇することも十分に考えられます。
積立投資のメリット・デメリットをよく理解した上で、そうした状況で自分がどう行動するのかを事前にシミュレーションしておくと、冷静な判断につながるでしょう。
投資対象となる商品選びも重要なポイントです。
金融庁が公表している「つみたて投資枠対象商品届出一覧」(2026年4月15日最終更新)によると、対象商品は随時審査・追加されており、現在では約300本以上の豊富な選択肢があります。
ご自身が納得でき、長期間にわたって安心して保有できると思える商品を選ぶことが肝心です。
注意点として、NISA口座内で発生した損失は、他の課税口座(特定口座や一般口座)で得た利益と相殺する「損益通算」ができません。
また、損失を翌年以降に繰り越して税金の負担を軽減する「繰越控除」の対象にもならない点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
5. まとめ
新NISAを活用した積立投資は、資産を増やす有力な選択肢となり得ますが、そのためには制度や商品を十分に理解し、ご自身に合った運用計画や出口戦略を考えることが不可欠です。
もちろん、投資をしないという選択もありますが、新NISAの開始のように、資産形成を取り巻く環境は変化していきます。
まずは第一歩として、ご自身の将来に向けた資産形成に関する情報を集めてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)4月分(中旬速報値)」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 金融庁「NISAの活用事例」
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品」
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品の分類(2025年8月12日時点)」
- 社団法人全国銀行協会「あなたのリスク許容度診断テスト」
- LIMO「新NISA「月10万円の積み立て×15年間」とほったらかしで15年「いくらになるか」シミュレーション結果とは」
マネー編集部NISA班