4. 公的年金制度に残る「男女間の格差」とは

もう一つ見過ごせないのが、公的年金における「男女間の受給額の差」です。

厚生労働省の「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年」によると、生活保護受給者に限らず、全体の平均年金額を見ると、男性は年額192万6000円です。

配偶者がいない世帯でも、男性の平均は171万4000円となっています。

一方で、女性の平均年金額は120万7000円と、男性との間に大きな差が見られます。

配偶者のいない女性世帯では145万2000円でした。

生活保護受給者の平均年金額を見ても、女性は年額58万3000円(月額約4万8000円)と、特に低い水準にとどまっています。

この背景には、年金額の決定方法が関係していると考えられます。

国民年金は保険料の納付月数で、厚生年金は現役時代の報酬額や加入期間に応じて決まります。

かつての日本では「女性は結婚後に家庭に入る」という考え方や、パートタイム労働が中心であった社会構造が一般的でした。

こうした雇用環境が、結果として男女間の年金額の差を生み出す一因となったのです。

近年では共働き世帯が増加したことにより、年金の男女差は少しずつ縮小していくと予想されます。

とはいえ、個々人の働き方による差は今後も存在し続けるでしょう。

老後に受け取る年金額は、現在の働き方と密接に関わっていることを意識し、将来を見据えたキャリアプランを考えることが大切です。