5. 老後の生活設計に役立つ4つのステップ
他の人の年金額や生活保護の状況を批判しても、自身の老後資金が増えるわけではありません。
データが示すように、年金額の個人差は、これまでの加入履歴や過去の雇用環境、社会構造などが複雑に影響しています。
私たちが今取り組むべきなのは、自身の状況を正確に把握し、具体的な老後設計を立てることです。
特に50歳代後半から60歳代の方は、以下の4つのステップを試してみてはいかがでしょうか。
- 「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で受給額を確認する:まずはご自身の現実を直視することから始めましょう。65歳から受け取れる年金額を正確に把握することが第一歩です。
- 退職金や手持ちの資産を洗い出す:勤務先の退職金制度や、現在の預貯金額を計算します。加入したままになっている貯蓄型保険など、資産全体を見直す良い機会です。
- 老後にかかる生活費を試算する:住宅ローンの完済時期、家賃、食費など、最低限必要となる生活費をシミュレーションします。
- 不足額を計算する:「毎月の生活費 - 年金収入 = 不足額」を算出し、老後全体でどれくらいの資金が必要になるかを逆算します。
もし資金が不足する見込みであれば、どのように準備を進めるか冷静に計画を立てることが重要です。
現在は「貯蓄から投資へ」という流れがありますが、60歳代から手持ち資金の全額をハイリスクな投資に充てるのは避けるべきでしょう。
リスク管理の一環として、「就労期間の延長」や年金の「繰下げ受給」といった選択肢も検討してみましょう。
まずは「長く働くことで厚生年金の加入期間を延ばす」ことが、年金額を増やすための基本的な対策となります。
長く働くことができれば、年金の受け取り開始を遅らせる「繰下げ受給」も利用しやすくなります。
繰下げ受給は、1カ月遅らせるごとに受給率が0.7%ずつ増え、70歳まで繰下げると生涯にわたって42%増額された年金を受け取れます。
ただし、年金額が増えると税金や社会保険料の負担も変わるため、総合的な視点で判断することが大切です。
もちろん、生活に影響のない余剰資金の範囲で、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を活用するのも有効な手段の一つです。
6. まとめ
生活保護や年金といった、私たちの暮らしを支える公的制度について正しく理解することは非常に重要です。
データを見ると、生活保護を受けている方の年金額は決して多くはなく、また年金額には男女差も依然として存在することがわかりました。
老後の生活に対して過度に不安を抱くのではなく、客観的な事実を知ることで、具体的な対策を立てるきっかけになります。
将来の安心を手に入れるために、まずは現状を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
マネー編集部社会保障班