新緑が目に鮮やかな5月となりました。

新しい年度が始まって1カ月が過ぎ、生活設計を改めて見直している方もいらっしゃるかもしれません。

特に60歳代を迎え、セカンドライフを目前にしている方々にとって、老後の生活の基盤となる年金は大きな関心事ではないでしょうか。

来月6月支給分から年金が増額改定されます。

ご自身の年金額はいくらになるのか、また同世代の人々がどの程度受け取っているのか、気になっている方も多いことでしょう。

この記事では、60歳代から90歳以上の方々の平均年金受給額を、厚生年金と国民年金に分けて詳しく見ていきます。

さらに、男女別の受給額の違いや、高齢者世帯全体の所得状況についてもデータを基に解説します。

ご自身の状況と照らし合わせながら、今後のライフプランを考えるきっかけとしてお役立てください。

1. 日本の公的年金、その基本的な仕組みを解説

はじめに、日本の公的年金の構造について解説します。

公的年金制度は、基礎部分である「国民年金」と、その上乗せ部分である「厚生年金」から成る、2階建て構造として設計されています。

下の図で大まかな構成を把握すると、理解しやすくなるかもしれません。

1階部分の国民年金には、原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入を義務付けられています。

なお、国民年金保険料(※1)は、所得にかかわらず全員が一律の金額です。

2階部分にあたる厚生年金は、会社員や公務員など、企業や官公庁に勤務する人々が加入対象となります。

こちらは毎月の給与や賞与の額に応じて年金保険料(※2)を納めるため、将来の受給額に個人差が生じるのが特徴です。

では、将来受け取れる「年金額」は、具体的にどのように決まるのでしょうか。

まず国民年金(老齢基礎年金)は、保険料を全期間(480カ月)納付することで、65歳から満額(※3)を受給できます。

保険料の未納期間などがある場合は、その月数に応じて満額から減額される仕組みになっています。

一方、厚生年金(老齢厚生年金)の受給額は、「年金加入期間の月数」と「納めた保険料の総額」によって決定されます。

基本的には、加入期間が長く、現役時代の収入が高かった人ほど、多くの年金を受給できることになります。

※1 国民年金保険料:2026年度は月額1万7920円です。
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率を掛けて算出されます。
※3 国民年金の満額:2026年度は月額7万608円です。