9. まとめにかえて|後期高齢期における家計管理とは

75歳以降の家計を考えるうえでは、「平均額」だけを基準に判断しないことが大切です。

後期高齢シニア夫婦の金融資産を見ると、資産の約3分の2を預貯金が占めており、株式や投資信託などの有価証券は比較的少ない構成となっています。

預貯金中心の資産配分は、大きな値動きの影響を受けにくい安心感がある一方で、物価上昇が続く局面では注意も必要です。

口座残高が変わらなくても、インフレが進めば同じ金額で購入できるモノやサービスは少しずつ減っていき、資産の実質的な価値は低下していく可能性があります。

さらに、後期高齢期には医療費だけでなく、介護費用や見守り費用など、将来的に発生しうる支出も視野に入れておく必要があります。

「人生100年時代」と呼ばれる今、重要なのは単純な資産額の多さではありません。どのくらい長い期間、現在の生活水準を維持できるのかという“資産寿命”の視点が欠かせなくなっています。

現役時代から計画的に資産形成を進めることに加え、年金の受け取り方や公的制度への理解を深めながら、長期的に家計を支えていく準備が求められるでしょう。

参考資料

マネー編集部家計班