湿度を帯びた空気に季節の移り変わりを感じる頃となりました。暮らしのなかでは、将来のお金や老後の備えについて考える機会が増える時期でもあります。

高齢化はもはや統計上の話ではなく、病院の混雑や公共交通の利用状況、地域活動の担い手不足など、日常のさまざまな場面で実感される時代になっています。

こうした社会では、老後期間がこれまで以上に長くなることを前提に、「年金収入だけで暮らしていけるのか」「資産は何歳まで持つのか」といった不安が、多くの人にとって現実的なテーマとなっています。

本記事では、総務省と厚生労働省の公的データをもとに、75歳以上の後期高齢シニア夫婦の家計を整理します。

「生活費」「年金」「資産の持続性」という観点から実態を確認しながら、後期高齢者医療制度や医療費負担にも触れ、老後家計を多角的に読み解いていきます。

1. 【75歳以上 後期高齢シニア】日本の世帯の約半数が65歳以上の高齢化社会へ

内閣府が発表した「令和7年版高齢社会白書」によると、2023年の段階で全単身世帯のうち約49.5%に65歳以上の高齢者がいることがわかっており、20年前と比べて二倍以上に増加しています。

現在の日本では高齢の世帯が珍しくなくなってきているのです。

2026年には「団塊の世代」が全員75歳以上となり、日本は後期高齢者の増加が顕著な社会へと移行しました。さらに、厚生労働省の将来推計では、今後およそ25年後には女性の平均寿命が90歳を超える見込みとされており、日本の長寿化は今後も進んでいく見通しです。

この人口動態の変化は、社会保障や地域社会のあり方にまで影響を及ぼし始めています。

では、高齢者は実際にどのような暮らしをしているのでしょうか。次から詳しく見ていきましょう。