3. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】年齢別の年金受給額から見る家計の現状

後期高齢期の家計では、公的年金が最大かつ安定した収入源となります。ここでは、75歳以上の年齢階層別に平均年金月額を確認します。

年金額は次の2つに分けて整理します。

  • 国民年金(老齢基礎年金)のみを受給するケース
  • 厚生年金(※)を受給するケース

※厚生年金には第1号から第4号までの区分がありますが、この記事では民間企業などに勤務していた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」を指しています。

厚生年金の金額には、老齢基礎年金分が含まれている点には注意が必要です。

3.1 【年金一覧表】75歳~90歳以上「厚生年金・国民年金」5歳刻みの平均年金月額

厚生年金

  • 75歳~79歳:15万1377円
  • 80歳~84歳:15万7689円
  • 85歳~89歳:16万5486円
  • 90歳以上:16万4027円

国民年金

  • 75歳~79歳:5万9346円
  • 80歳~84歳:5万8454円
  • 85歳~89歳:5万9066円
  • 90歳以上:5万5633円

夫が厚生年金、妻が国民年金を受給する一般的な夫婦世帯では、年金収入の合計は月額およそ21万円(※)が一つの目安となります。これは家計調査における平均的な収入水準とも近い数字ですが、受け取った金額をそのまま生活費に充てられるわけではありません。

年金収入からは、所得税や住民税に加え、介護保険料や後期高齢者医療保険料などの「非消費支出」が差し引かれます。

そのため、老後の暮らしを考える際に重要になるのは、年金の額面ではなく、実際に手元に残る“手取り額”です。現役を引退した後も、税金や社会保険料の負担がなくなるわけではなく、形を変えて継続していきます。

※75~79歳の平均年金月額を合算

具体的には、夫が厚生年金、妻が国民年金を受給しているケースでは、75歳時点の平均受給額をもとにすると、夫婦合計で月約21万円(厚生年金15万1377円+国民年金5万9346円)が参考水準となります。

この金額は、家計調査で示されている「社会保障給付」の平均額20万7623円ともおおむね一致しており、多くの後期高齢シニア夫婦が、公的年金を中心に生活している実態がうかがえます。

3.2 年金からも天引きされるお金がある

年金収入からは、所得税や住民税に加えて、介護保険料や後期高齢者医療保険料などが天引き(特別徴収)される場合があります。

つまり、退職後であっても税金や社会保険料の負担が完全になくなるわけではありません。

老後の家計を考える際には、年金の額面だけでなく、実際に生活費として使える「手取り額」を把握しておくことが重要です。

次の章では、この収支構造を踏まえながら、75歳以上世帯の貯蓄の平均額や資産状況について詳しく見ていきます。