4月も下旬に入り、新緑が目に鮮やかな季節となりました。

新しい年度が始まって少し落ち着き、将来のお金について考える時間が増えた方もいらっしゃるかもしれません。

私はこれまでファイナンシャル・アドバイザーとして、約3000世帯の家計相談に携わってきました。

その経験からいえるのは、収入の額と貯蓄額は必ずしも比例しないという事実です。

収入が少なくても堅実に貯蓄されている方もいれば、高収入でもなかなか資産が増えない方もいます。

特に、多くの方がリタイア後の生活の柱とするのが公的年金です。

今回は、すでに年金生活を送っている方も多い「70歳代の夫婦世帯」に焦点を当てます。

貯蓄の平均額や年金のリアルな受給額について、データをもとに詳しく解説していきます。

1. 70歳代のリアルな生活感とは?二人以上世帯の26.5%が「年金だけでは生活費が不足」と回答

貯蓄や年金額の具体的な数値を見る前に、まず現在の70歳代の方々がどのような「生活実感」を抱いているのかを見ていきましょう。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、70歳代の二人以上世帯において「年金でさほど不自由なく暮らせる」と回答した割合は、わずか12.3%にとどまっています。

その一方で、「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」が61.2%、「日常生活費程度もまかなうのが難しい」が26.5%となっており、合計すると約9割の世帯が家計にゆとりを感じていない実情がうかがえます。