来月、2026年6月15日は、偶数月ごとに振り込まれる公的年金の支給日です。
この日は年金だけでなく、条件を満たした人には「年金生活者支援給付金」が上乗せして支給されます。
ただし、年金生活者支援給付金は申請しないと受け取れません。
たとえ対象者であったとしても、申請手続きをしなければ受け取れないため、支給要件や申請方法を確認しておくことが大切です。
そこで本記事では、年金生活者支援給付金の対象条件・2026年度の金額・申請方法を解説します。
偶数月支給の仕組みについてもわかりやすく紹介するので、参考にしてみてください。
1. 年金生活者支援給付金とは?年金やその他の所得が一定基準額以下の人を支える仕組み
年金生活者支援給付金は、公的年金を受給している人のうち、年金やその他の所得が一定基準額以下の人に対して、年金に上乗せして支給される国の制度です。
消費税率の引き上げ分を財源として、2019年10月から始まりました。
給付金は3種類あり、受給している年金の種類に応じて支給が決まります。
本記事では、「老齢年金生活者支援給付金」を中心に解説します。
老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、次の3つの条件すべてに該当している必要があります。
1.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受給していること
- 請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税となっていること
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が、一定の基準額以下であること
3点目の所得基準額は、生年月日によって次のように異なります。
- 1956年4月2日以後生まれの方:90万9000円以下
- 1956年4月1日以前生まれの方:90万6700円以下
なお、(年金収入等が)一定の金額(80万9000円等)を上回ったとしても、基準額(90万9000円等)以下であれば、所得の逆転を防ぐための補足的な給付(補足的老齢年金生活者支援給付金)が受けられる仕組みとなっています。
2. 2026年度はいくら上乗せ?月額5620円・計算式と具体例
老齢年金生活者支援給付金の基準額は、物価変動に応じて毎年度見直されます。2026年度(令和8年度)は前年度から3.2%引き上げられ、月額5620円に改定されました。
増額改定された4月分・5月分の年金生活者支援給付金は、支給要件を満たし申請手続きが完了している対象者へ、来月6月15日に支給されます。
ただし、月額5620円が全員に一律支給されるわけではありません。
実際の支給額は、国民年金の保険料納付済期間の長さに応じて、次の計算式で算出されます。
- 保険料納付済期間に基づく額(月額)=5620円×保険料納付済期間÷被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1768円×保険料免除期間÷被保険者月数480月
たとえば、国民年金を40年間(480カ月)すべて納付した人であれば、満額の月額5620円が支給されます。
一方、納付済期間が30年(360カ月)だった場合は、5620円×360÷480=月額4215円となります。
つまり、国民年金の保険料をしっかり納めてきた人ほど給付金の額も多くなる仕組みです。
3. 6月15日支給の仕組みと申請方法は?請求書を出さないと0円
公的年金は、2月・4月・6月・8月・10月・12月の偶数月15日(土日祝の場合は直前の平日)に、前2カ月分がまとめて振り込まれます。
年金生活者支援給付金も同じスケジュールで支給されるため、2026年6月15日の振り込みは「4月分・5月分」の合計2カ月分です。
なお、2026年度の改定額(月額5620円)が反映されるのは2026年6月15日支給分(4月・5月分)からです。
4月15日支給分までは2025年度の基準額(月額5450円)で計算されている点に注意してください。
また、本制度最大の注意点は、たとえ「対象者であっても申請しなければ1円も受け取れない」という点です。
手続きの流れは次のとおりです。
- 新たに対象となる人に、毎年9月の第1営業日以降に日本年金機構から請求書(はがき型)が送付される
- 必要事項を記入し、そのまま返送する。令和7年1月以降はマイナポータルを通じた電子申請にも対応している。
- 審査には1~2カ月ほどかかり、認定されれば請求した月の翌月分から支給開始される
一度認定を受ければ、原則、翌年以降は要件を満たす限り継続して支給されるため、初回の請求書提出さえ忘れなければ安心です。
「はがきが届いたのに出し忘れている」という人は、早めに返送しましょう。
4. 申請を忘れず、受け取れる給付はしっかり受け取ろう
老齢年金生活者支援給付金は、65歳以上で年金やその他の所得が一定基準額以下となる場合、年間約6万7000円(満額で5620円×12カ月)の上乗せになる重要な制度です。
ただし、請求書を提出しなければ受け取れないため、制度の存在を知らないまま機会を逃すことにならないよう気を付けましょう。
自分が対象となっていないか、あらためて確認しておくことが大切です。
所得基準や申請の可否でわからない点があれば、最寄りの年金事務所や「ねんきんダイヤル(0570-05-1165)」に相談してみてください。
参考資料
苛原 寛