4. しまむらが「大化け」するための条件とは
では、しまむらが株式市場で再び脚光を浴び、株価が上昇するためには何が必要なのでしょうか。
4.1 安定感抜群の「高配当銘柄」への道
無借金で堅実な経営を続けるしまむらに対して、投資家は「IT企業のような爆発的な利益成長」や「派手な事業計画」を求めているわけではありません。
泉田氏は、しまむらの持つ「業績の安定性」と「精緻な予算管理能力」こそが、最大の武器になると指摘します。
「業績自体は安定してて堅いので、配当をしっかり出す、いわゆる高配当の銘柄になったら投資家の注目は集めると思いますよ」
前述の通り、しまむらは業績予想を100万円単位で算出できるほど、社内の予測モデルと費用コントロールが確立されています。
この強みは、投資家に対して「約束した配当を確実に出し続けられる」という絶大な安心感に繋がります。
「売上が予想通りいったら多分最終利益も予想通りなんだよ。ってなったら、毎年これぐらい使うからこれぐらいは配当してもいいよな、とか、これぐらい自社株買いしてもいいよなっていうところもより精緻にできるようになる。それは投資家がすごい好きな会社になるよね」
新NISAが普及したことで、個人投資家の間では安定して高い配当を受け取れる「高配当銘柄」が大ブームとなっています。
しまむらが潤沢なキャッシュフローを背景に、還元方針をさらに一段引き上げ、誰もが認める「安定感抜群の高配当株」へと変貌を遂げたとき、長年くすぶっていた株価が大きく見直されるタイミングが訪れるのかもしれません。
※本記事は元機関投資家による決算分析の解説であり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあり、業績や市場環境の変化により株価は上下します。投資判断はご自身の責任において行ってください。
## 参考資料
※リンクは記事作成時点のものです。
著者
金融・経済YouTubeチャンネル「イズミダイズム」
「イズミダイズム」は、株式会社モニクルリサーチが運営する金融・経済YouTubeチャンネルです。フィデリティ投信や日本生命でポートフォリオマネージャーや証券アナリストとしての勤務経験のある元機関投資家の泉田良輔が、プロの視点で金融や経済に関する様々なニュースの解説や、資産形成に役立つトピックをお届けします。新NISAの開始やインフレを背景に、個人の資産運用への関心が高まる中、機関投資家と個人投資家の「視点の違い」や、経済ニュースの裏側にある「構造」をロジカルに解説します。(最新更新日:2026年1月30日)
監修者
株式会社モニクルリサーチ
代表取締役/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。その他に株式会社モニクル取締役COO、株式会社モニクルフィナンシャル取締役COOも務める。東京科学大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(同研究科最優秀賞受賞)
1. 経歴
2013年に株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を原田慎司(現同社取締役)らとともに共同創業。2013年に個人投資家向け金融経済メディア「Longine(ロンジン)」を立ち上げ、編集長に就任。Longineの立ち上げの経緯はBloombergにおいて「体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南」として掲載され大きな反響を呼ぶ。投資情報のサブスクモデルを確立する。その後、株初心者向けネットメディア「株1」、2015年にはくらしとお金の経済メディア「LIMO」の前身となる「投信1」を立ち上げる。
それ以前は、日本生命・国際投資部で外国株式ファンドマネージャー、フィデリティ投信・調査部や運用部にて10年に渡ってインターネット、電機(半導体・民生・産業エレクトロニクス)、機械(ロボットやセンサー企業中心)といったテクノロジーセクターの証券アナリストや中小型株ファンドのアシスタント・ポートフォリオ・マネージャー(最年少で就任)として従事。
2. 専門・研究領域
慶応義塾大学商学部卒業。国際金融及びコーポレート・ガバナンスを専攻。アジア通貨危機、昭和金融恐慌などの金融パニックのメカニズムを金融政策や金融機関への規制の観点から研究。それらの内容は「昭和金融恐慌からの教訓 平成恐慌になにをどう生かすべきか」(三田商学研究学生論文集)として発表。
3. 著書
・『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資』(ダイヤモンド社)
・『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』(クロスメディア・パブリッシング)
・『銀行はこれからどうなるのか』(クロスメディア・パブリッシング)
・『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』(KADOKAWA)
・『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)
4. 寄稿や講演他
「日経BizGate」での連載「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」や「現代ビジネス」、「東洋経済オンライン」、「プレジデント」などへの寄稿や対談も多数。対談記事例としては「【未来予想】ブロックチェーン革命が、「半沢直樹」の世界に終わりを告げる」や「【未来予想】アマゾンとビットコインが、次世代の「銀行」になる理由」(いずれもNewsPicks)、「米独に遅れる日本の自動運転、自動車も電機の二の舞に?」(週刊ダイヤモンド)。海外ジャーナリストからインタビューされることも多く、Financial TimesやThe Economist、Bloombergにおいて自動車や金融業界についての国内外産業動向コメントも発信している。
講演会や動画での情報発信も盛んに行っており、NewsPicksのTHE UPDATE、日経ビジネススクール、慶應丸の内キャンパス、慶應義塾SDM、アカデミーヒルズなどでも講義を行う。またNewsPicksのNewSchoolではプロジェクトリーダーとして「本当に初心者のための資産運用」を開催。
最終更新日:2026年2月21日