2. 【しまむら】驚異の「自己資本比率88.1%」と実質無借金経営
業績の手堅さに加えて、しまむらの決算書にはもう一つ、投資家を驚かせる数字が隠されています。それが「自己資本比率」です。
2.1 店舗ビジネスで借金ゼロという異例の財務体質
自己資本比率とは、企業が持っている全資産のうち、返済の必要がない自分たちのお金(純資産)がどれくらいを占めているかを示す指標です。
一般的に、50%を超えれば優良企業とされますが、しまむらの自己資本比率はなんと88.1%に達しています。
総資産5546億円に対して、純資産が約4800億円もあるのです。
さらに驚くべきことに、しまむらの貸借対照表には、銀行からの借入金などの有利子負債が記載されていません。つまり「実質無借金経営」です。
全国に多数の店舗を展開する小売業は、土地の取得や店舗の建設、内装工事などに莫大な資金が必要です。
そのため、銀行からお金を借りて店舗を増やしていくのが一般的なセオリーです。しかし、しまむらはこれらの投資をすべて自前の現金(手出し)で賄っていることになります。
2.2 約3000億円の潤沢なキャッシュと投資の行方
なぜ、店舗ビジネスでありながら無借金で事業を拡大できるのでしょうか。その答えは、しまむらの「稼ぐ力」にあります。
企業の現金の出入りを示すキャッシュフロー計算書を見ると、しまむらは本業の営業活動によって年間約480億円もの現金(営業キャッシュフロー)を生み出しています。
これに対して、店舗の設備投資などに使われる金額はそれほど大きくありません。本業で稼いだお金の範囲内で十分に投資を賄えるため、毎年現金が積み上がっていく構造になっているのです。
その結果、直近の決算期末時点で、しまむらは現金と同等物を約900億円、有価証券および投資有価証券を合計約2000億円、トータルで約3000億円もの流動性の高い資産を保有する「キャッシュリッチ」な状態となっています。
倒産リスクが極めて低く、財務諸表はピカピカ。しかし、株式市場ではこの「お金を貯め込みすぎている」状態が、必ずしもプラスに評価されるわけではありません。
