7. 参考情報:2026年4月からの年金制度改正、4つの主要な変更点

2026年度(令和8年度)が始まりました。

新年度の開始にあわせて、私たちの暮らしに深く関わる「年金制度」において、4つの大きな変更が実施されます。

「保険料の引き上げ」といった負担増の側面がある一方で、「受給額の増加」や「働きながら年金を受け取るルールの緩和」など、知っておくことで手取りを増やせる可能性のある重要な変更も含まれています。

そこで、今年度の年金が「いくら増え、何が変わるのか」、押さえておきたい4つのポイントをわかりやすく解説します。

すでに解説した内容も含まれますが、お金に関わる大切な情報ですので、改めて確認しておきましょう。

7.1 【変更点1(負担増)】国民年金保険料の引き上げ

国民年金保険料はどう変わる?11/13

国民年金保険料について

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

まず、自営業者やフリーランス、学生などが加入する「国民年金」の保険料が改定されました。

令和8年度の国民年金保険料は月額1万7920円となります。これは物価や賃金の変動に応じて毎年改定されるルールに基づくものですが、毎月の固定費として家計に影響をおよぼすことは避けられません。

前納(まとめ払い)などを利用して、少しでも割引を受けられるよう工夫することが、これまで以上に大切になります。

7.2 【変更点2(収入増)】年金受給額の引き上げ

一方で、明るいニュースもあります。物価や賃金の上昇に連動して、受け取れる年金の額も引き上げられます。

令和8年度の引き上げ率は、基礎年金が+1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が+2.0%(いずれも前年度比)と発表されました。

この改定により、国民年金(老齢基礎年金)を満額で受け取る場合の金額は以下の通りです。

  • 昭和31年4月2日以降生まれの方:月額7万608円
  • 昭和31年4月1日以前生まれの方:月額7万408円

現在年金を受給中の方は、今年度から口座に入金される金額が増えることになります(実際の反映は6月15日支給分から)。

ご自身の受給額に関する詳細は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構からの通知書で必ず確認するようにしましょう。

7.3 【変更点3(要確認)】年金生活者支援給付金の3.2%増額

公的年金などの収入やその他の所得が一定額以下の方を支援する「年金生活者支援給付金」も、物価の変動にあわせて手厚くなります。

令和8年度の給付基準額は、月額5620円に改定されました。これは前年度から+3.2%という引き上げ率です。

この給付金を初めて受け取る場合、対象者であっても「自ら請求書を提出しないと支給されない」という点には注意が必要です。すでに給付金を受給している方は、原則として新たな手続きは求められません。

「自分も対象かもしれない」と感じた方は、日本年金機構からの案内を見落とさないようにしましょう。

7.4 【変更点4(ルール緩和)】在職老齢年金制度の基準額が65万円に

在職老齢年金制度はどう変わる?13/13

厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」

出所:厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」

働くシニア世代にとって、今回の改正で特に影響が大きいのが「在職老齢年金制度の見直し」です。

これまでは、老齢厚生年金を受け取りながら働く場合、給与(標準報酬月額など)と年金の合計が「月51万円」を超えると、超過した分に応じて年金の一部が支給停止(カット)されていました。

この仕組みが「働き損」につながるとして、多くのシニア層を悩ませてきた一因でした。

しかし、令和8年度からはこの基準額が「月額65万円」へと大幅に引き上げられます。

これにより、「年金を減らされたくないために労働時間を調整していた」という方も、より多くの収入を得ながら満額の年金を受け取れる可能性が広がりました。

60歳代以降の働き方やライフプランを見直すきっかけとなる、重要なルール変更といえるでしょう。

7.5 制度変更のまとめ:今後のマネープラン見直しのすすめ

2026年4月からの年金制度改定には、「物価高への対応」と「シニアの就労促進」という国の政策が色濃く反映されています。

制度の変更は、内容を把握しているかどうかで有利・不利が分かれることが少なくありません。

今回の制度変更をしっかりと理解し、ご自身の働き方やお金の計画を今のうちに見直してみてはいかがでしょうか。

※当記事は再編集記事です。

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