2. 75歳からの年金受給額:平均「月21万円」でも全額は使えない理由
後期高齢者夫婦の家計において、公的年金は収入の大部分を占めています。ここでは、75歳以上の年齢層ごとに平均年金月額がどのくらいかを確認します。
年金額は、
- 国民年金(老齢基礎年金)のみを受け取る場合
- 厚生年金(※)を受け取る場合
の2つに分けて見ていきます。なお、厚生年金の金額には老齢基礎年金分も含まれている点にご注意ください。
※厚生年金には第1号から第4号までの区分があります。本記事では、民間企業などに勤務していた方が受け取る「厚生年金保険(第1号)」を「厚生年金」として説明します。
2.1 【年齢別】75歳から90歳以上の厚生年金・国民年金の平均月額一覧
厚生年金
- 75歳~79歳:15万1377円
- 80歳~84歳:15万7689円
- 85歳~89歳:16万5486円
- 90歳以上:16万4027円
国民年金
- 75歳~79歳:5万9346円
- 80歳~84歳:5万8454円
- 85歳~89歳:5万9066円
- 90歳以上:5万5633円
厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』を基に試算すると、例えば夫が厚生年金、妻が国民年金を受け取る夫婦の場合、75~79歳の平均額を単純に合計すると、月々の年金収入は約21万円(※)となります。
この金額は、先ほどの家計調査における「社会保障給付」(月21万1289円)とほぼ同水準です。
ただし、この金額がすべて生活費として自由に使えるわけではありません。年金からは所得税や住民税、さらに介護保険料や医療保険料といった非消費支出が差し引かれます。
老後の家計を考えるうえで大切なのは、額面の年金額ではなく、税金や保険料を引かれた後に実際に使える「手取り額」です。引退後も税金や社会保険料の負担は続くという点を、あらかじめ理解しておくことが重要です。
※75~79歳の平均年金月額を合算した目安額
(厚生年金:月15万1377円、国民年金:月5万9346円)
2.2 注意点:年金からも税金や社会保険料は天引きされる
ここで改めて確認しておきたいのは、支給される年金額がそのまま手元に残るわけではないという点です。
年金からは所得税や住民税、そして介護保険料や後期高齢者医療保険料などが原則として天引きされます。
現役を引退したからといって、税金や社会保険料の負担が完全になくなるわけではないのです。
そのため、年金額を考える際は「額面」だけでなく、実際に生活費として使える手取り額を基準にすることが大切です。
続いて、75歳以上の世帯がどの程度の貯蓄を持っているのか、その実態を見ていきましょう。
