4. 利益激減の真犯人は「米国の追加関税」か

スバルの主戦場がアメリカであるという前提を踏まえた上で、泉田氏は再び「なぜ利益が82%も減ったのか」という核心に迫ります。

ここで泉田氏が用いたのが、決算説明会資料にある「営業利益のウォーターフォールチャート」です。これは、前年の利益から今年の利益に至るまでに、どのような要因で利益が増減したのかを階段状に示したグラフです。

このチャートを見ると、前年同期の3692億円から今期の663億円へと利益が減少した最大の要因が「事業環境変化」という項目であり、ここで2607億円もの利益が失われていることが分かります。

そして、会社側が説明するその内訳こそが、今回の決算の最大のハイライトでした。

事業環境変化によるマイナス2607億円のうち、なんと2166億円が「米国追加関税影響」だったのです。

営業利益の増減要因(ウォーターフォールチャート)3/4

営業利益の増減要因(ウォーターフォールチャート)

出所:株式会社SUBARU「2026年3月期 第3四半期 決算説明会資料」(2026年2月6日)

泉田氏も、スバル特有の弱点が顕在化したと指摘します。

自動車事業にほぼ特化し、かつアメリカで最も車が売れているスバルにとって、米国の関税引き上げは日本の自動車メーカーの中でも最も深刻なダメージとなります。

ここで重要になるのが、スバルの「生産と輸出の構造」です。アメリカで売る車をすべてアメリカで作っていれば、関税の影響は受けません。しかし、スバルの生産体制はそうなっていませんでした。

通期の見通しデータを見ると、海外での販売台数見通しが72.7万台であるのに対し、アメリカ工場での生産見通しは34.5万台にとどまっています。一方、日本国内での生産見通しは60万台です。

つまり、アメリカで販売する車のざっくり半分は現地で生産しているものの、残りの半分は日本で生産し、海を渡ってアメリカに輸出しているのです。この「日本からの輸出分」に対して重い追加関税が課せられた結果、利益が吹き飛んでしまったという構造です。

泉田氏は、この状況を機関投資家の冷徹な視点でこう総括します。

「グローバルで展開してると、一国の国や地域にベットして事業してることのリスク、特に消費大国として一番大きなアメリカで商売してることのリスクっていう風にはなっちゃったよね」

【動画で解説】スバル、利益激減の真犯人は「米国の追加関税」か