5. まとめ:60歳代単身世帯、就労収入があるのは3割未満。「働いて稼ぐ」が難しくなる前の備えを!
今回は、シニア世代がご自身で請求手続きを行うべき5つの給付制度と、働き方に影響する「106万円の壁」の最新動向についてお伝えしました。
なぜ、これほどまでに「申請漏れ」を防ぐことが重要なのでしょうか。その理由は、シニア世代のリアルな家計データに表れています。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、老後の資金源として「公的年金」を頼りにしている割合は、60代ですでに70%を超え、70代になると約9割(二人以上世帯:87.3%、単身世帯:88.1%)へと跳ね上がります。
一方で、「就業による収入」を資金源とする割合は60歳代から70歳代にかけて半分以下(二人以上世帯:42.5%→18.7%など)に激減しており、年齢を重ねるほど公的給付がいかに生活の「命綱」となるかがはっきりとわかります。
年金に上乗せされる「加給年金」や「年金生活者支援給付金」、そして働き方を支える雇用保険関連の給付金は、環境の変化に伴う収入減を補う心強い味方です。また、2025年の法改正による社会保険の適用拡大も、将来の生活基盤を強固にする大きな転換点となります。
しかし、どれほど手厚い制度であっても、要件を満たした上で「自ら期限内に申請」を行わなければ、1円も受け取ることはできません。初夏を迎え、気候も穏やかなこの時期に、まずはご自身のねんきん定期便や世帯の所得状況を確認してみてはいかがでしょうか。受給の可能性がある場合には「後で」と放置せず、早めに年金事務所やハローワークの窓口へ相談し、確実な手続きを進めましょう。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 日本年金機構「初めて老齢年金を請求するとき」年金請求書(国民年金・厚生年金保険 老齢給付)様式第101号
- 日本年金機構「か行 加給年金額」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」
- 厚生労働省「再就職手当のご案内」
- 厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」
- 厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」に関するQ&A(キャリアアップ助成金関係)
マネー編集部社会保障班
