7. まとめにかえて:今後の家計をどう見通すか
ここまで見てきたように、後期高齢シニア夫婦の家計は、生活費・年金・貯蓄のバランスに余裕があるとは言い難く、不足分を貯蓄で補う構造が続いています。さらに、医療や介護といった支出が重なることで、将来の見通しはより不確実性を増していきます。
一方で、医療費の負担を一定範囲に抑える公的制度も整備されています。こうした仕組みを理解しておくことで、突発的な支出に対する不安を軽減することが可能です。
また、資産の多くを預貯金が占める現状では、物価上昇による実質的な価値の低下にも目を向ける必要があります。重要なのは、資産額そのものではなく、それがどれだけの期間、生活を支えられるかという視点です。
長期化する老後に備えるには、年金や医療制度を含めた全体像を踏まえた資金設計が欠かせません。制度を正しく理解し、活用しながら持続可能な家計を築いていくことが、これからの安心につながります。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省「家計調査 家計収支編 2024年〔二人以上の世帯〕」(第3-2表)
- 総務省統計局「家計調査 用語の解説」
- 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」
- 厚生労働省年金局「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 2024年 〔二人以上の世帯〕」(第8-10表)
- 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- 厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」
マネー編集部社会保障班