3. 年収800万円でもカットなし?シミュレーション
基準額が65万円になったことで、具体的にどのような変化が起きるのでしょうか。
例えば、老齢厚生年金を月額15万円受給している方が、現役並みの給与(月額50万円)で働くケースを想定します。
- 合計額:15万円(年金) + 50万円(給与) = 65万円
2025年度までは51万円を超えた分の半分(65万円 - 51万円 = 14万円の半分、つまり7万円)がカットされていましたが、2026年4月からは合計65万円までであれば、年金は1円もカットされず全額支給されます。
年収に換算すると、ボーナスを含めた給与年収が600万円、年金と合わせた総収入で800万円近い金額を得ながら、年金も満額受け取れるシニアが増えることになります。
4. まとめ:制度を正しく理解し「生涯現役」をデザインしよう
2026年4月からの在職老齢年金の緩和は、働く意欲のあるシニアにとって強力な追い風です。
ただし、年金が満額受け取れるようになって「額面」の総収入が増える一方で、それに伴い税金や健康保険料の負担がどう変化するかをトータルで把握することが重要です。
「働き損」を恐れる時代から、制度を理解して「手取りを最大化」する時代へと変化してきています。新年度を迎えるこの機会に、ご自身の年金見込み額と働き方のバランスを再検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
中本 智恵
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員/金融ライター
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて主にリテール営業に従事した。とくに銀行では国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、生命保険、住宅ローンなどの販売に携わり、全国表彰歴あり。金融機関勤務後は経験を活かし、株式会社モニクル傘下の株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)に入社。
現在はくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替相場、株式投資などを中心に記事の企画・執筆・編集・監修をおこなっている。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成。(2025年8月25日更新)
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)