4. 60歳代・70歳代世帯「年金にゆとりがない」と感じる理由のトップは?
年金額は4年連続のプラス改定となりましたが、実際に生活を送るシニア世帯は家計についてどのように感じているのでしょうか。
ここで、老後の生活に「ゆとりがない」と感じている世帯が抱える不安の理由をデータから読み解いてみましょう。
以下のデータは、ゆとりがないと感じている60代・70代の世帯(二人以上世帯・単身世帯)を対象に、その理由を調査したものです。
4.1 老後生活に「ゆとりがない」と感じる主な理由
第1位は圧倒的で「物価上昇」への不安
すべての世帯類型・年代において、「物価上昇等により費用が増えていくとみているから」がトップとなっています。
二人以上世帯の60歳代で57.9%、70歳代で57.7%、単身世帯でもともに50%を超えており、過半数が日々の生活費高騰に強い懸念を抱いていることが分かります。
4.2 第2位は「医療費負担」の増加
次いで多いのが「高齢者への医療費用の個人負担が増えるとみているから」です。
とくに70歳代の二人以上世帯では30.0%と高く、年齢を重ねるにつれて直面する健康リスクとそれに伴う出費への警戒感がうかがえます。
4.3 「年金減額」や「介護費用」への不安も根強い
さらに、「年金が支給される金額が切り下げられるとみているから」(60歳代二人以上世帯で21.5%)や、「介護費用の個人負担が増える」(各層で14%〜19%台)といった、将来の社会保障に対する不安も少なくありません。
この結果から見えてくるのは、「仮に年金が少し増額されたとしても、それを上回るスピードで物価や医療費が上がれば、家計は厳しくなる」というシニア世代の切実な現実です。
年金制度をベースにしつつも、インフレや想定外の医療・介護出費に耐えうる家計を作るためには、やはり「元気なうちは長く働く」、あるいは早めの「計画的な資産形成」による自衛が、これまで以上に重要になっていると言えるでしょう。
著者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)