2. VTuber企業の実態は「小売業」?PER15倍の評価理由
「VTuberの会社なのに、なぜそんなに在庫を抱えているのか?」という疑問に対し、泉田氏はANYCOLORのビジネスモデルの実態を紐解きます。
第3四半期単体の売上高156.9億円のうち、実に107.4億円(約68%)を「コマース(物販)」が占めています。
ライブ配信やイベントの売上もありますが、収益の柱は圧倒的にVTuberのキャラクターグッズ販売なのです。
泉田氏はこのデータから「ほぼコマースの会社ですよね」と分析します。そして、グッズ販売が中心である以上、売れ残りの在庫リスクを常に抱える構造になっていると指摘しました。
2.1 在庫リスクと市場のシビアな目線
株式市場の掲示板などでは、ANYCOLORの株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているかを示す「PER(株価収益率)」が約15倍という水準にあることについて、「割安ではないか」という議論が交わされることがあります。
しかし泉田氏は、同社が新しいテクノロジー企業ではなく、実態として「小売業」であると市場から見なされている場合、このPER15倍という数字は決して安すぎるわけではないと解説します。
「小売業の究極の仕事って、お客さんが欲しいときに適切に商品を出すっていうのと、いかに在庫を少なくするか。似てるんじゃない?なので、そこを精緻にやれないと小売業としてもバリュエーション(企業価値評価)ってなかなかつきにくくなるんだよね。」
在庫管理という小売業特有の課題を露呈してしまったことで、市場からの評価が厳しくなり、高い株価がつきにくくなっているのが現状のようです。
