3. 投資家の期待とのズレ?ROE60%超の超高収益と株主還元のジレンマ

一方で、ANYCOLORの稼ぐ力は極めて優秀です。

泉田氏が動画内で概算したところによると、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出しているかを示す指標である「ROE(自己資本利益率)」は、なんと60%を超えています。

100万円の元手で1年間に60万円以上の利益を生み出す計算になり、一般的な日本企業のROEが10%前後であることを考えると、驚異的な数字です。

「60%のリターンが出せる事業って他にありますか?(中略)となると、投資家からすると『そのまま今の事業をどんどん伸ばしてくれ』と以外ない」

3.1 キャピタルアロケーション(資金配分)への不満

投資家としては、これほどのお宝ビジネスを見つけたのだから、稼いだ利益を全額つぎ込んででも事業を拡大してほしいと願います。

ところが、会社側が発表した「キャピタルアロケーション(資金配分計画)」は、投資家の期待とは異なるものでした。

会社は手元資金と将来稼ぐキャッシュの合計約560億円のうち、半分以上の「300億円以上」を株主還元(配当や自社株買い)に充てると宣言したのです。

キャピタルアロケーションの構成3/5

キャピタルアロケーションの構成

出所:ANYCOLOR株式会社「2026年4月期 第3四半期 決算説明会資料」(2026年3月11日)

泉田氏は、ここに企業と株式市場の大きなズレがあると指摘します。

会社側は「VTuberの人数も無限には増やせないし、グッズを作りすぎれば在庫リスクになる」と現実的な限界を感じて株主に利益を返そうとしています。

しかし、成長を期待して投資した株主からは「なぜROE60%の事業に投資しないのか」と失望されてしまったわけです。

【動画で解説】ANYCOLOR、非常に高い利益率を誇る一方で株価が大きく下落