最近、日本の株式市場では激しい値動きが続いています。米国の利下げ見通しの変化や、緊迫化する中東情勢を受けた原油価格の高騰など、外部環境の不透明感から日経平均株価が1日で2000円近く急落する場面もありました。
この状況下、個別株投資のボラティリティ(価格変動)に不安を感じる方もいるかもしれません。そんな時こそ、1社に依存せず、数百〜数千社に「まとめて投資」できる投資信託を活用するのもよいでしょう。
今回は、最新の運用データに基づき、性格の異なる3つの国内株ファンドを比較解説します。
1. 【徹底比較】個別株から「投資信託」へ乗り換えるなら?国内株ファンド3選!
まずは、自分に合った「リスクとコストのバランス」を一覧で確認しましょう。
5つの重要な項目(投資対象、組入銘柄数、購入時手数料、信託報酬、分配金)で比較しましたが、主なポイントとして3つ解説します。
1.1 ①コスト面
コストを抑えたい場合は、購入時手数料が無料で信託報酬も低い「e MAXIS Slim」の2ファンドが有利です。
1.2 ②定期的なインカム
定期的な現金(分配金)を受け取りたい場合は、年2回分配を行っている「日経平均高配当利回り株ファンド」が有力な選択肢となります。
1.3 ③分散度合い
分散度合いで言えば、TOPIXが1658銘柄と最も広く市場全体をカバーし、高配当ファンドは特徴のある30銘柄に集中投資しているという違いがあります。
2. 極限までコストを削る!「市場平均」を味方につけるインデックス型
「eMAXIS Slim」シリーズは、特定の指数と同じ動きを目指す投資信託です。業界最低水準のコストで、効率よく運用できるのが特徴です。
2.1 e MAXIS Slim 国内株式(日経平均):日本の“エース級”225社
アドバンテストやファーストリテイリングなど、日本を代表する有名企業が対象です。指数の性質上、半導体関連など値動きの激しい銘柄の影響を受けやすいですが、市場が反転した際のパワーも期待できます。
2.2 e MAXIS Slim 国内株式(TOPIX):日本経済を“丸ごと”カバー
トヨタ自動車を筆頭に、銀行、商社、内需関連など1600社以上に幅広く資金を散らします。特定の1社の不祥事や急落によるダメージを、「網羅的な分散」によって薄めることができる、最も堅実な選択肢です。
これら2つは分配金を出さず、運用益を自動で再投資するため、将来に向けて複利効果を狙いたい方に向いています。
3. 日経平均高配当利回り株ファンド:配当金を「心の支え」に。
「株価が下がっても、配当金がもらえるなら耐えられる」という方には日経平均高配当利回り株ファンドも検討するとよいでしょう。日経平均の中から、特に配当利回りの高い「小松製作所」「武田薬品」「商船三井」など30社を厳選しています。
3.1 年2回の“おこづかい”が、投資を続けるモチベーションに
年2回の分配金実績があり、設定来累計では1万口当たり3610円が還元されています。原油高などの逆風下でも、しっかり利益を出して配当を維持できる「稼ぐ力」のある企業が中心です。
年2回の分配金は、販売会社との契約によっては分配金を自動で再投資する設定を選ぶことも可能です。そのため、定期的な現金受取を目的とする方だけでなく、再投資による複利効果を狙う運用スタイルにも柔軟に対応できます。
ただし、インデックス型に比べると管理費用(信託報酬)が少し高い点や、購入時に手数料がかかる場合がある点はあらかじめ押さえておきましょう。
4. オルカンもいいけれど、国内株ファンドも検討の余地あり。
今回は、性格の異なる3つの国内株ファンドを比較しました。現在、新NISAなどを通じて「オルカン(全世界株式)」や「S&P500(米国株式)」といった海外インデックス投資が圧倒的な人気を集めています。もちろんそれらは資産形成の土台として非常に優秀です。
しかし、日本に住む我々にとって、為替リスクがなく、身近な企業の成長をダイレクトに享受できる「国内株」も無視できない存在です。
- とにかく無難に、日本市場全体に分散したい方
→ eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) - 日本を代表する大手企業の成長を追いかけたい方
→ eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) - 暴落時でも「分配金」という現金収入を求める方
→ 日経平均高配当利回り株ファンド
さらに、これらを新NISAの枠内で運用すれば、運用益はもちろん、受け取る分配金にも税金がかかりません。せっかくの非課税メリットなので、丸ごと自分の利益にできるのも嬉しいですね。今回の内容をきっかけに、ご自身の投資スタイルや資産配分をあらためて見直し、より納得感のある運用を考えてみてはいかがでしょうか。



