3. 政治的混乱で一時は大会辞退の可能性も

試合中継では南米らしい情熱的な応援スタイルが映し出され、底抜けの明るさが印象に残りましたが、ベネズエラは経済的にも政治的にも大きな危機に瀕しています。

1970年代まで、ベネズエラは石油収入により南米で最も1人当たりGDPが高く、民主主義が安定した国家でした。

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しかし、原油価格の下落による外貨収入の激減とその補填のための通貨増刷が招いたハイパーインフレにより、現在の経済規模は最盛期から約75%以上も縮小しています。

国民の約95%が貧困状態にあるとされ、食料や医薬品の不足から、全人口の4分の1にあたる約770万人以上が国外へ脱出するなど、危機的状況が断続的に続いています。

政治的混乱としては、2026年1月に発生した米国による軍事作戦と政権交代が記憶に新しいところです。

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長年独裁体制を維持してきたニコラス・マドゥロ氏がアメリカに拘束されるという異常事態に、一時はWBC出場も絶望的と報道されていました。

母国に残された家族の安全を優先して出場を辞退する主力選手が相次ぎ、さらには米連邦航空局(FAA)が安全上の理由からカリブ海周辺の飛行制限を強化した影響で、国内にいた選手やコーチ陣がキャンプ地の米国へ渡る手段が一時的に断たれるなどの問題も発生していました。