3月も中旬を迎え、日ごとに春の気配が濃くなってきました。

新年度を目前に控え、ご自身のライフプランや家計について見直す方も多いのではないでしょうか。

特に60歳代を迎え、セカンドライフを具体的に考え始めると、老後の生活を支える公的年金への関心が高まります。

将来、自分がいくら受け取れるのか、あるいは同世代の人はどのくらい受給しているのか、気になるところでしょう。

この記事では、公的年金の基本的な仕組みから、厚生年金と国民年金の平均受給額、さらに年金で暮らす世帯のリアルな家計収支まで、最新の公的データをもとに詳しく解説します。

老後のお金に関する不安を解消し、具体的な準備を始めるための一助となれば幸いです。

1. 日本の公的年金制度、基本となる「2階建て構造」をわかりやすく解説

日本の公的年金は、しばしば「2階建て構造」と表現されます。

これは、制度の土台となる「1階部分の国民年金(基礎年金)」と、その上に乗る「2階部分の厚生年金」という2つの制度で構成されているためです。

厚生年金と国民年金の仕組み1/7

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分「国民年金(基礎年金)」の仕組み

  • 加入対象者:原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人
  • 年金保険料:保険料は所得にかかわらず一律ですが、年度ごとに見直されます(2025年度の月額は1万7510円)
  • 受給額:保険料を40年間すべて納付した場合、満額を受給できます(2025年度の月額は6万9308円)

国民年金の加入者は3つの区分(第1号~第3号被保険者)に分類されます。

このうち、会社員や公務員などの第2号被保険者は、次に説明する厚生年金に加入します。

厚生年金の保険料を納めている場合、国民年金保険料を個別に支払う必要はありません。

また、第2号被保険者に扶養されている配偶者である第3号被保険者も、自身で保険料を納付する必要はありません。

1.2 2階部分「厚生年金」の仕組み

  • 加入対象者:会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※1)に勤務し、一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入します。
  • 年金保険料:収入(給与や賞与)に応じて保険料が変動します。ただし、保険料計算の基となる収入には上限が設けられています(※2)
  • 受給額:加入していた期間や、現役時代に納めた保険料の額によって、受け取る年金額は一人ひとり異なります。

※1 特定事業所とは、1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業などを指します。
※2 厚生年金の保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に共通の保険料率を乗じて算出されます。