5. 【70歳代】ゆとりある生活との差
生命保険文化センターの「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によれば、夫婦2人で暮らす場合の老後の「最低日常生活費」は平均23万9000円、「ゆとりある老後生活費」は平均39万1000円とされています。
一方、今回見てきた家計データでは、実収入はおよそ27万5000円です。最低限の生活費は上回っているものの、ゆとりある生活に必要とされる水準とは、月額で10万円以上の差が生じています。
住居費が低く抑えられていることなどから、日常生活そのものは維持できる世帯が多いと考えられますが、旅行や趣味、交際費などを含めた「ゆとり」のある暮らしを実現するには、一定の追加資金が必要になるのが現実です。
さらに、食費の割合が高い家計構造では、物価上昇の影響を受けやすい点にも注意が必要でしょう。加えて、今後は医療費や介護費が増える可能性もあり、生活費が現在よりも膨らむことも想定されます。
生命保険文化センターの同調査を見ると、「ゆとりある老後生活費」は2016年以降、上昇傾向が続いています。物価の上昇や生活スタイルの変化を背景に、老後に必要とされる資金は徐々に増えている状況です。
こうした環境のなかで、長く続く老後を見据える際には、健康寿命だけでなく「資産寿命」をいかに延ばすかという視点も欠かせません。
