3. 社会保障、制度のあり方「年齢」から「能力」に応じた負担へ
こうした不公平を是正するため、政府は令和7年11月に閣議決定した総合経済対策において、「年齢にかかわらず公平な応能負担を実現するための第一歩」として、高齢者の医療費の窓口負担割合等に金融所得を反映させるための法制上の措置を、令和7年度中に講じることを明記しました。
本人の選択で算定から除外できた金融所得を、保険料の賦課ベースや窓口負担の判定にしっかりと組み込む方針です。これにより、支払い能力のある高齢者に相応の負担を求め、現役世代の負担を抑制する狙いがあります。
今後は、令和8年度中に具体的な制度設計が行われ、順次実行に移される予定です。
後期高齢者医療制度の財源は、約5割を公費(税金)、約4割を現役世代からの支援金が占めており、高齢者自身の保険料負担は約1割に留まっています。
少子化が進む中で、約4割を支える現役世代の負担は限界に近づいており、制度のパンクを防ぐためには財源構成の見直しが避けられません。金融所得を反映させることで、自ら支える力を最大限に引き出し、世代間の負担のバランスを適正化することが求められています。
参考資料
- 財務省「社会保障①」
- 厚生労働省「第206回社会保障審議会医療保険部会・世代内、世代間の公平の更なる確保による全世代型社会保障の構築の推進(高齢者医療における負担の在り方について)」
- 内閣府「「強い経済」を実現する総合経済対策」について」
村岸 理美
