5. 【手続き前】年金請求で慌てないための確認ポイント
ここまで見てきたように、公的年金の受給を開始するためには本人による請求手続きが必要です。書類の不備や確認不足があると、支給開始が遅れるケースもあります。
そのため、実務上の注意点をあらかじめ押さえておくことが大切です。ここでは、年金請求の前に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
5.1 ポイント1:請求書が届いたらまず確認すること
65歳を迎える前後になると、日本年金機構から「年金請求書」が送付されます(前章で紹介した書類です)。
ただし、書類が届いた時点では年金の受給はまだ開始していません。請求書を提出して初めて、支給手続きが進みます。
まず確認しておきたいのは、次のような基本情報です。
とくに転職歴が多い人や、結婚などで姓が変わった経験がある人は、加入期間に漏れがないか丁寧に確認しておきましょう。もし誤りや不明点がある場合は、提出前に年金事務所で相談することが必要です。
5.2 ポイント2:記入ミスが支給遅れにつながることも
年金請求の手続きで意外と多いのが、振込口座の記入ミスです。
金融機関名や支店名、口座番号などに誤りがあると、支給決定後の振り込みに支障が出る場合があります。通帳やキャッシュカードを確認しながら、正確に記入することが重要です。
また、配偶者がいる場合は加給年金の対象になるかどうかも確認しておきたいポイントです。条件を満たしていても、必要な申告が行われなければ年金額に反映されない可能性があります。
5.3 ポイント3:不明点は明らかにしておこう
書類の書き方や制度の内容で分からない点がある場合は、年金事務所や「ねんきんダイヤル」に相談することができます。
事前に確認しておくことで、書類不備や再提出を防ぐことにつながります。「よく分からないから」と放置してしまうと、結果的に受給の遅れにつながる可能性があります。
また、年金の繰下げ受給は手続きを行うことが前提です。単に請求をしていない状態では繰下げとはみなされないため、受給機会を逃してしまうリスクもあります。
節目の年齢を迎えたら、早めに内容を確認し、余裕を持って手続きを進めることが安心につながります。
著者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)