暦の上では春を迎え、日差しに暖かさを感じる日も増えてきました。
冬の間はロゼット状になったり、地上部を休ませて静かに春を待つ宿根草。春のやわらかな日差しとともに再び美しい芽吹きを見せてくれるその姿は、季節の移ろいを実感させてくれる存在です。
環境さえ合えば「ほぼ植えっぱなし」に近い感覚で付き合える宿根草は、忙しいけれどセンスの良いナチュラルな庭づくりを目指す方にとって、庭づくりに取り入れやすい植物のひとつです。
今回は、本格的なガーデニングシーズンの到来を前に、春の庭に迎えたい洗練された宿根草を3種類、参考価格とともにご紹介します。
1. ほぼ植えっぱなしOK【この春植えたい宿根草3選】ナチュラルブルーの野趣あふれる花姿
この春ぜひお庭にお迎えしてみたい、ナチュラルブルーが魅力的な宿根草を3種類ご紹介します。
1.1 ベロニカ・オックスフォードブルー
ベロニカ・オックスフォードブルー1/4
Chris Lawrence Images/shutterstock.com
早春のまだ寒さが残る地面を覆うように、鮮やかなブルーの小花を咲かせる姿は、春の訪れを告げる可愛らしい植物です。這うように広がる性質を持ち、ナチュラルな雰囲気のグランドカバーとしても活躍します。
冬の間は寒さで葉がシックな銅色(ブロンズ)に変化しますが、枯れているわけではありません。春には再び緑に戻り、青いお花との美しいコントラストを見せてくれますよ。
また、日本の多湿は少し苦手なので、梅雨前には軽く切り戻して風通しを良くしてあげると安心です。年々カーペットのように広がりを見せてくれるため、自然に庭の景色を豊かにしてくれます。
※参考価格:300~1000円前後(3号ポット苗)
1.2 ゲラニウム
ゲラニウム2/4
Mariola Anna S/shutterstock.com
春から初夏にかけて、風にそよぐ繊細な花びらが、ナチュラルでやわらかな雰囲気を醸し出す宿根草です。小さな花が愛らしく、群生して咲く姿も楽しめます。
特に「ジョンソンズ・ブルー」などの品種は、透明感のある美しい花色で、春のガーデンを爽やかに彩ります。水はけの良い環境さえ整えてあげれば、毎年可愛らしい花を咲かせてくれる、比較的育てやすい植物です。
ただ、夏の高温多湿による「蒸れ」には少し注意が必要なので、風通しの良い涼しい場所を選んであげてくださいね。
※参考価格:300~1000円前後(3号ポット苗)
1.3 ブルンネラ
ブルンネラ3/4
Svetlana Zhukova/shutterstock.com
ワスレナグサに似た可憐な青い小花と、美しい葉模様が魅力の宿根草です。春の芽吹きとともに花を咲かせ、ナチュラルな庭に洗練されたアクセントを加えてくれます。
特に魅力的なのは、シルバーリーフと呼ばれる銀色がかった美しい葉です。花が終わった後もカラーリーフとして庭を明るく彩り、シェードガーデンでもその存在感を発揮します。
植えっぱなしで手間がかかりにくい点も嬉しいポイントです。強い直射日光や乾燥にはやや弱いため、半日陰のしっとりとした環境が適しています。
※参考価格:500〜1500円前後(3号ポット苗)
2. 毎年花咲く青い小花で叶う、洗練されたブルーガーデン
春の訪れとともに芽吹き、季節の移ろいを感じさせてくれる宿根草。植えっぱなしでも毎年美しい花を咲かせてくれる頼もしさは、植物を育てる喜びを深く感じさせてくれるでしょう。
今回ご紹介した植物は、いずれもナチュラルな魅力と育てやすさを兼ね備えた花たち。
今年の春は、お気に入りの宿根草を庭にお迎えして、野趣あふれるお庭や花壇づくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
3. 【コラム】数字で見る「日本の花き」産出額ランキング《トップ8》
私たちが日頃楽しんでいる植物は、日本の農業において重要な経済基盤を支えています。
農林水産省「花きの現状について(令和8年2月)」から、その産出額ランキング(※)を見てみましょう。
※農林水産省の「令和5年生産農業所得統計」に基づく産出額トップ8
- 1位:キク(593億円)…葬儀や仏花だけでなく、装飾用マムも人気。
- 2位:洋ラン(鉢)(352億円)…コチョウランなど、お祝い事の定番。
- 3位:切り枝(254億円)…いけばなやインテリアのアクセントに。
- 4位:観葉植物(187億円)…お部屋を彩るグリーンとして定着。
- 5位:ユリ(180億円)…華やかなテッポウユリやオリエンタルユリ。
- 6位:バラ(163億円)…ブライダルや贈り物として不動の人気。
- 7位:トルコギキョウ(133億円)…八重咲きなど品種改良が盛ん。
- 8位:庭園樹苗木(129億円)…住宅の植栽や「まちづくり」を支える。
毎日の食卓に欠かせない野菜や果物とはちょっと違い、お花や観葉植物の一番の特徴は、冠婚葬祭やギフト、そしてインテリアといった「心に彩りを添えるシーン」で選ばれることです。
ランキングを見てみると、キクやユリのように大切な行事に欠かせないお花が根強い一方で、最近はバラやトルコギキョウ、観葉植物など、お部屋の雰囲気や暮らしのスタイルに合わせて楽しむお花の需要もぐんぐん広がっています。
「この色が好き!」「今のインテリアに合わせたい」というこだわりや流行に合わせて、驚くほどたくさんの品種が生まれるのも、お花の世界ならではの楽しさ。
私たちが庭に植える小さな苗や、お部屋に飾る一輪へのときめきが、実は日本の農業や街の活気を支える大きな力に繋がっていくのかもしれませんね。
参考資料
LIMOガーデニング部