もうすぐ3月。寒さが和らぎはじめた2月下旬の都内ですが、住宅街にあるわが家の玄関先でも、静かに、それでいて力強く咲く植物たちが一足お先に春の声を届けてくれています。

今回は、限られたスペースでもほんの少しの気配りで毎年私たちの目を楽しませてくれる、3種類の多年草を参考価格とともにご紹介します。野趣あふれる花姿は、きっと春の訪れを感じさせてくれますよ。

記事末コラムでは多年草の魅力や、日本の花き(観賞用植物)市場に関するデータもご紹介します。ぜひ最後までお読みください。

※植物の育ち方は環境によって少しずつ異なります。お住まいの地域の気候に合わせて管理方法をご確認ください。

1. 斑入りクリスマスローズ:麗しの貴婦人が見せる新しい表情

斑入りクリスマスローズ1/6

斑入りクリスマスローズ

LIMOガーデニング部撮影

冬の庭で静かな存在感を放つクリスマスローズ。

中でも最近お迎えしたばかりの斑入りの品種は、格別な趣があります。深いグリーンの葉に、まるで粉雪を丁寧に散りばめたような細やかな白い斑(ふ)が印象的。夏以降の花のない時期でも、美しい葉が庭を彩ってくれそうで楽しみです。

うつむいて咲く愛らしい姿は、実は大切な花粉を冷たい雨や雪から守るための植物の知恵でもあります。外側にいくほど淡いグリーンを帯び、どこか神秘的な気品を漂わせますね。半日陰から日陰の環境を好むため、シェードガーデンの主役としても活躍します。

環境さえ合えば「植えっぱなし」に近い感覚で付き合える丈夫さを持ち合わせている点も、長く愛されている理由の一つでしょう。

※全草に毒性があるため、お手入れの際は手袋をし、ペットや小さなお子様が誤食しないよう置き場所に配慮してあげましょう。

  • 栽培環境: 半日陰〜日陰、水はけの良い土壌
  • 水やり: 生育期(冬~春)はたっぷり水が必要ですが、半休眠する高温多湿な夏場は、根腐れを防ぐため乾燥気味に管理します。

※参考価格:400円~2000円前後(3号ポット苗)

2. 雲間草:緑のクッションに咲く、白い宝石

雲間草2/6

雲間草

LIMOガーデニング部撮影

高山の岩場に咲く姿から名付けられたクモマソウ。その名の通り、寒さに強く、春先に可憐な姿を見せてくれます。

苔のようにこんもりと密集した、生命力あふれる瑞々しい緑の葉。その隙間から細い茎をすっと伸ばし、透き通るような5枚の白い花弁を広げます。

中心部の淡い黄緑色が、春の光を吸い込んでいるかのようで、思わず見入ってしまいます。小さなスペースでもセンス良くまとまるため、寄せ植えやロックガーデンにも向いています。

過湿を嫌うため、風通しの良い場所で管理するのが長く楽しむコツです。また、強い酸性の土を嫌う性質があるため、地植えにする際はあらかじめ石灰などで土を中和しておいてあげると、根張りがぐっと良くなりますよ。

  • 栽培環境: 春・秋は日当たりの良い場所。日本の高温多湿な夏は苦手なため、鉢植えであれば夏場は涼しい風が通る半日陰(建物の北側など)へ移動してあげましょう。
  • 水やり: 乾燥気味に管理し、土の表面がしっかり乾いてから与えます。

※参考価格:200~400円前後(3号ポット苗)

3. アッツザクラ:春を告げる星形の可憐な輝き

アッツザクラ3/6

アッツザクラ

LIMOガーデニング部撮影

春の訪れとともに、庭に明るいリズムを生み出してくれるアッツザクラ。「サクラ」という名前がついていますが、実は南アフリカ原産の植物です。

シュッと直線的に伸びる鋭い葉の間から、対照的にふんわりと開く星形の花が顔をのぞかせます。

鮮やかなピンクが、早春の庭に彩りを添えてくれます。冬の休眠期に球根を凍らせないように管理すれば、春には再び可憐な花を咲かせてくれます。

数年間は植えっぱなしでも大丈夫ですが、鉢植えなどで球根が窮屈そうになってきたら、休眠期などに掘り上げて少し間隔を空けて植え直してあげると、毎年いきいきとしたお花を楽しめますよ。

  • 栽培環境: 日当たりの良い場所
  • 水やり: 生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと。葉が枯れる休眠期はぐっと控えます。

※参考価格:300~500円前後(3号ポット苗)

4. まとめにかえて

一度植えれば毎年楽しめる多年草は、お庭づくりの頼もしい「土台」になってくれます。

年を重ねるごとに株が充実し、少しずつ花数が増えていく過程を見守れるのは、多年草ガーデニングならではの醍醐味です。

まずは育てやすい一株から、春の気配を運んでくれる植物をお庭に迎えてみてはいかがでしょうか。

5. 【ガーデニング豆知識】多年草・宿根草の魅力とは?

【ガーデニング豆知識】多年草や宿根草の魅力とは?4/6

多年草や宿根草の魅力

出所:LIMO編集部作成

5.1 多年草や宿根草の魅力

  • 一度植えれば植え替えの必要がなく、ほぼほったらかしで育てられる植物も多い
  • ローコスト&ローメンテでガーデニングが楽しめる
  • 年々大きく育っていく喜びを味わえる
  • 毎年決まった時期に花が咲き、季節を教えてくれる

5.2 お庭に取り入れるコツ

  • 開花時期をずらすと、一年中花が咲く庭になる
  • 花色やテーマを統一するとおしゃれな印象に(ホワイトガーデン、ブルーガーデン、ナチュラルガーデンなど)
  • カラーリーフとして楽しめる植物を取り入れると、花が少ない季節も華やかになる

6. 【コラム】数字で読み解く!日本の花と球根の需給事情

ガーデニングや日々のお花を楽しむ中で、「この植物はどこから来たのかな?」と気になったことはありませんか?

2026年2月に農林水産省が公表した「花きの現状について」から、日本の花き(観賞用の植物)生産の現状を見てみましょう。

6.1 花き生産の現状:金額ベースで見る

まず「金額ベース」で見ると、国内で流通する花の約9割が国内生産で、輸入は約1割にとどまります。

国内生産の6割弱を占めるのが切り花類で、次いで鉢もの類、花壇用苗もの類と続きます。また、輸入される花も大半(9割弱)が切り花です。

6.2 花き生産の現状:数量ベースで見る

しかし、「数量ベース」で見ると異なる実態が見えてきます。

切り花の国内流通量における輸入割合は約3割(30%)となっており、特にカーネーションやキクの輸入割合が高く、コロンビアやマレーシア、中国などから多く届いています。

また、秋植え・春植えでおなじみの「球根」については、輸入割合(数量ベース)が実に約8割(80%)にのぼります。

その大半が花の国として知られるオランダから輸入されており、国内に流通する球根の多くが海外産であるという特徴があります。

お花屋さんやホームセンターで植物を選ぶとき、実は海を越えて届いたものが数多く含まれています。

日ごろ花苗を選んだり土作りをしたりする際に、産地に注目してみるのも一つの楽しみ方かもしれませんね。

参考資料

LIMOガーデニング部