2026年1月、厚生労働省より新年度の年金額が公表され、物価や賃金の上昇を反映して4年連続のプラス改定となりました。国民年金は+1.9%、厚生年金は+2.0%の引き上げとなります。

しかし、手放しでは喜べません。額面は増えても依然として続く物価高には追いつかず、「実質的な目減り」という厳しい現実が浮き彫りになっています。

「自分の年金は結局いくら増えるのか」「今の生活水準を維持できるのか」。

この記事では、厚生労働省の最新データをもとに、リアルな受給額の目安から、働き方の違いが将来の年金にどう直結するのかまで、2026年度の最新ルールとあわせて徹底解説します。

1. 日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て

日本の公的年金は、老後の生活を支える「老齢年金」のほか、病気やけがで日常生活に制約が生じた場合に受給できる「障害年金」、そして家計の中心となる人に万が一のことがあった際に遺族へ支給される「遺族年金」という、三つの重要な保障で成り立っています。

ここでは、各年金の基本的な仕組みと、老齢年金の受給額の目安について見ていきます。

日本の年金制度は「2階建て」と呼ばれることが多く、土台となる1階部分が「国民年金(基礎年金)」、その上に積み重なる2階部分が「厚生年金」という構造です。

現役時代の働き方によって、将来受け取る年金額が大きく変わる仕組みとなっています。

1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)の概要をおさらい

加入対象

  • 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入します(職業や国籍は問いません)。

年金保険料

  • 保険料は全員一律ですが、年度ごとに見直されます(※1)

老齢年金の受給額

  • 保険料を40年間(480カ月)すべて納付した場合、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取ることができます(※2)

※1 2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円です。
※2 2025年度の老齢基礎年金(満額)は月額6万9308円です。

1.2 2階部分:厚生年金の概要をおさらい

加入対象

  • 会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定の条件を満たす方が、国民年金に上乗せして加入します(※3)

年金保険料

  • 保険料は収入(給与や賞与)に応じて決まりますが、上限が設けられています(※4)

老齢年金の受給額

  • 加入していた期間や、納めた保険料の額によって、将来受け取る年金額は一人ひとり異なります。

このように、国民年金と厚生年金では、対象となる人や保険料の算定方法、受給額の計算の仕組みがそれぞれ異なります。

したがって、現役時代の働き方や加入状況によって、将来受け取る老齢年金の金額には違いが生まれます。

※3 特定適用事業所とは、厚生年金保険の被保険者数が一定規模以上(51人以上)の企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に保険料率を掛けて計算されます。