生活環境の変化とともに、ご自身の家計や将来のライフプランについて考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

最近では、日々の生活に直結する物価高騰のニュースや、2026年度の年金額改定(基礎年金1.9%・厚生年金2.0%増額)といったお金に関する話題を耳にする機会も多く、シニア世代にとって老後の生活設計はこれまで以上に大きな関心事となっています。

「同世代の人はどれくらい貯蓄があるのだろう」「今の年金収入でゆとりある生活は送れるのか」といった疑問は尽きません。

この記事では、最新の公的な統計データに基づき、70歳代の方々の平均的な貯蓄額や年金の受給状況、そして夫婦二人暮らしの家計収支について詳しく掘り下げていきます。

ご自身の状況と照らし合わせながら、今後の暮らしを考える上での参考にしていただければ幸いです。

1. 70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情|平均額と中央値は?

金融広報中央委員会が運営する情報サイト「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代・二人以上世帯における金融資産保有額の状況が明らかになっています。

※この調査における金融資産保有額には、預貯金の他に株式、投資信託、生命保険などが含まれます。一方で、日常的な支払いや引き落としに使う普通預金などの残高は含まれていません。

70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は2416万円でした。しかし、この平均値は一部の富裕層によって引き上げられている傾向があるため、より実態に近いとされる中央値は1178万円となっています。

世帯別の詳しい貯蓄額の分布は以下の通りです。

  • 金融資産を保有していない:10.9%
  • 100万円未満:4.5%
  • 100万円~200万円未満:5.1%
  • 200万円~300万円未満:3.7%
  • 300万円~400万円未満:3.9%
  • 400万円~500万円未満:2.9%
  • 500万円~700万円未満:6.4%
  • 700万円~1000万円未満:6.7%
  • 1000万円~1500万円未満:11.1%
  • 1500万円~2000万円未満:6.7%
  • 2000万円~3000万円未満:12.3%
  • 3000万円以上:25.2%
  • 無回答:0.6%

金融資産を全く保有していない世帯が10.9%存在する一方で、3000万円以上の資産を持つ世帯が25.2%を占めており、70歳代の二人以上世帯では資産状況に大きな開きがあることがうかがえます。

また、貯蓄額が300万円未満の世帯も合計で13.3%と一定数見られます。その一方で、1000万円以上の資産を持つ世帯も多く、老後の経済状況は一様ではないことがわかります。

老後の資産額は、現役時代の収入や働き方、退職金の有無、さらには健康状態といった様々な要因に影響されます。公的年金の受給額も、これまでの加入実績によって個人差が生じます。

もし貯蓄が心もとない場合、年金収入だけで生活を維持するのは容易ではないかもしれません。安心して老後を送るためには、各世帯の状況に応じた生活設計が不可欠です。

健康なうちは短時間でも働く、あるいは不動産や投資からの収入を得るなど、早めに対策を講じることが将来の安心につながるでしょう。