2. 「現金給付」と「減税」では足りない理由

給付付き税額控除が議論の俎上に載っている背景には、物価高が長期化するなかで、従来の支援策だけでは対応しきれなくなっているという事情があります。

家計への支援策として、これまで主に検討・実施されてきたのは、「現金給付」と「減税」の二つです。

【現金給付】
現金給付は、対象者に直接お金が届くため、分かりやすく、所得の多寡にかかわらず支援を行える点がメリットです。
特に、税負担がほとんどない世帯にとっては、減税よりも実感しやすい支援になります。

一方で、支給対象を広く設定すると、多額の財源が必要になります。また、所得の高い層にも同額が支給される場合、
「本当に支援が必要な人に絞れていない」という指摘が出やすくなります。

【減税】
減税は、恒常的な税負担を軽減できる点が特徴で、一度実施されれば、給付のように繰り返し予算を組む必要がありません。働く人にとっては、長期的な可処分所得の増加につながります。

しかし、減税にも弱点があります。所得税をほとんど払っていない人や、非課税世帯には、減税の効果が届きません。減税をしても、本当に困っている層に効果が届いていないという問題が、これまでも繰り返し指摘されてきました。