6. 個人向け国債や定期預金以外の選択肢を検討すべきケース
個人向け国債や定期預金は、安全性の高さや安定した金利収入が魅力です。しかし、状況によっては他の金融商品に目を向ける方が良い場合もあります。
6.1 物価上昇(インフレ)への対応を考えたい場合
投資判断の一つとして、「実質的な資産価値をどう維持するか」が挙げられます。
インフレ環境下では、個人向け国債の利息収入(名目上のリターン)だけでは、物価の上昇ペースに追いつくことが難しいケースも考えられます。
リスクは高まりますが、株式、投資信託、不動産など、より高いリターンが期待できる、あるいはインフレに連動する仕組みを持つ金融商品の方が、実質的な資産価値を維持しやすい可能性があります。
6.2 より高いリターンを目指したい場合
ここでの判断軸は「機会損失のリスクをどれだけ許容できるか」です。
安全性が高いとされる「個人向け国債」や定期預金は、その分、利回りが低めに設定されがちです。
資金をこれらの商品に固定することで、高金利の社債や高配当株など、より高い利回りを提供する他の金融商品へ投資する機会を逃してしまうリスク(機会損失)も考慮する必要があります。
7. 2026年度の金利高騰期を賢く生き抜く!国債活用術
2026年2月募集の個人向け国債は、変動10年が1.48%、固定5年が1.66%、固定3年が1.39%と、全タイプで前月超えの好利回りを実現しました。
上昇局面では金利に合わせて受取額が増える変動型が有利ですが、現在の高い利率で利益を確定させたいなら固定型も魅力的な選択肢です。
国が保証する元本保証の安心感はそのままに、1万円から始められる手軽さは、投資初心者が一歩を踏み出すのに最適と言えます。
しかし、利回りによっては日本の物価上昇率を下回り、個人向け国債だけではインフレ対策として不十分となる可能性も否定できません。
ご自身の家計状況をよく見極めたうえで、物価高に負けない資産形成を目指すことも重要です。
ただし、より高い利回りを追求すると、それに伴ってリスクも高まるのが一般的です。保有資産全体のバランスを考慮しながら、ご自身に合った資産形成の選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
執筆者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
秋田県秋田市出身。宇都宮大学教育学部卒業後、株式会社栃木銀行に入行。主に個人リテール業務へ従事。若年層から富裕層まで幅広い世代へ投資信託・保険を中心に総合的なライフプランニングを行ってきた。リテール営業行員内で上位の成績を保ち、全行員内1位の成績を収める。また、社内教育にも尽力し、人材育成にも携わる。
現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。(2024年4月15日更新)
監修者
LIMO編集部銀行出身者チームは株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、メガバンクや地方銀行などの大手金融機関にて、資産運用相談や融資業務の経験を積んだ「元銀行員」の編集者が中心となり構成されている、金融専門のライティングチームです。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍しています。
LIMO編集部銀行出身者チームには株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)出身の石津大希など、資産運用アドバイザーとしての実務経験を有する編集者が在籍しており、各編集者がファイナンシャル・プランナー(FP)として、シニア層から富裕層まで幅広い層の相談に対応してきた点が強みです。
金融機関での勤務経験年数はチーム合計で20年超。表彰歴を持つ編集者も多数在籍しています。国税庁や金融庁など官公庁の公開情報をもとに、豊富な経験と知識を有するプロフェッショナル集団が、読者に正確で実践的な情報をお届けします。
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