Z世代の情報収集はSNSが中心だと言われて久しくなっています。様々な媒体がある飲食店探しでも、Z世代はSNSを多く使っているようです。
では、Z世代は飲食店を探すときにどのように調べ、比較しているのでしょうか。
今回はZ世代の飲食店の探し方から、その背景まで迫ります。
1. Z世代は「外食」をどのようにしている?
僕と私と株式会社が実施した、「外食」に関する意識調査を見ていきましょう。
1.1 調査概要
- 調査タイトル:「外食」に関する意識調査
- 調査対象:Z世代(15~30歳)2,000名
1.2 Z世代の外食頻度:約4割が「月に1〜2回」
あなたは月に何回程度、自宅以外で外食(テイクアウト・デリバリーを除く)をしますか? (n=2,000)
- 月に1回程度: 20.3%
- 月に2回程度: 21.0%
- 週に1回程度: 16.9%
- 週に2回程度: 9.2%
- 2日に1回程度: 3.5%
- ほぼ毎日: 2.5%
- 毎日: 3.1%
- 外食しない: 23.7%
まず、Z世代がどの程度の頻度で外食(自宅以外での食事)を楽しんでいるのかを見てみると、月に数回程度の「たまの楽しみ」として外食を位置づけている層が約4割でボリュームゾーンであることがわかります。
一方で「外食しない」という回答も2割を超えており、ライフスタイルによる二極化も見られます。
2. お店選びは「事前検索」がスタンダード
外食に行くお店を事前に調べる際、SNSやアプリ、Webサイトなど活用して検索しますか? (n=1,526)
全体
- する: 59.0%
- しない: 41.0%
男性
- する: 55.7%
- しない: 44.3%
女性
- する: 62.1%
- しない: 37.9%
Z世代にとって、お店選びは行き当たりばったりではなく、事前の入念な下調べから始まっています。
全体では59.0%の人が、外食に行く前にSNSやアプリ、Webサイトを活用して検索を行っています。この傾向はとくに女性において顕著で、女性の62.1%が事前検索を行っているのに対し、男性は55.7%にとどまっています。
2.1 検索ツールの主役は「Instagram」
外食に行くお店を事前に調べる際、あなたが最もよく利用するサービスを最大3つお選びください。(n=400)
- Instagram: 46.5%
- TikTok: 19.8%
- X(旧Twitter): 29.3%
- YouTube: 21.8%
- Google Map: 23.3%
- Google検索: 27.0%
- Yahoo!検索: 7.5%
- 食べログ: 25.0%
- ぐるなび: 6.3%
- ホットペッパーグルメ: 11.5%
- 一休.comレストラン: 2.0%
- 友人・知人の紹介: 6.3%
事前検索において最も利用されているサービスは、2位以下に大きな差をつけてInstagramであり、46.5%という結果でした。
Instagramが支持される背景には、料理や店内の写真が必ずあることや、利用者の生の声がキャプションで書かれていることにあるでしょう。
実際、私もInstagramで実際に行ったことがある人の感想を見たり、写真を参考にしたりして決めています。
また、よく行くお店のInstagram公式アカウントをフォローしており、最新の情報をチェックしています。
3. 「見る専」が多数派?SNSへの投稿実態
外食をする際、あなたは料理や店舗の写真や動画をSNSに投稿しますか? (n=1,526)
全体
- する: 32.0%
- しない: 68.0%
男性
- する: 31.5%
- しない: 68.5%
女性
- する: 32.4%
- しない: 67.6%
事前検索にSNSをフル活用する一方で、自分自身が外食時の写真や動画をSNSに投稿するかどうかについては、また異なる傾向が見られます。
外食の際にSNSへ投稿する人は全体の32.0%であり、残りの68.0%は「投稿しない」と回答しています。
私もSNSで外食時の写真を発信することはそこまで多くなく、他の人の投稿を見ていることがほとんどです。
この割合は男女間で大きな差はなく、Z世代の多くはSNSを「情報発信の場」としてはあまり使っていないようです。では、どのようにSNSを使っているのでしょうか。
4. 「投稿」よりも「保存」を重視。情報を資産化するZ世代のSNS活用術
あなたは「ストック消費」(商品や情報をSNSなどで一旦保存(キープ)し、後でまとめて検討する)を、外食において行っていますか? (n=400)5/6
あなたは「ストック消費」(商品や情報をSNSなどで一旦保存(キープ)し、後でまとめて検討する)を、外食において行っていますか? (n=400)
- よく行っている: 30.8%
- 行っている: 26.0%
- どちらかというと行っている: 22.3%
- 全く行っていない: 21.0%
外食においてストック消費を「よく行っている」と回答した人は30.8%、「行っている」は26.0%、「どちらかというと行っている」は22.3%という結果でした。
合計で約8割が情報をストックし、後で比較していることがわかります。
Z世代の多くが行っている「ストック消費」ですが、その目的とは何でしょうか。
4.1 「ストック消費」の目的とは
情報をストックする(保存する)主な目的は何ですか?(あてはまるものを3つまで) (n=400)
- 興味を持った情報を忘れないようにするため: 36.8%
- 後で他の選択肢と比較・検討するため: 20.6%
- 友人にシェアしたり、提案するためのネタ集め: 20.3%
- いつか行く「ご褒美」や「特別な体験」としてストック: 17.1%
- なんとなく気になったから: 5.4%
情報を保存する主な目的を深掘りすると、「興味を持った情報を忘れないようにするため」という理由が36.8%で最多となり、次いで「後で他の選択肢と比較・検討するため」が20.6%、「友人にシェアしたり提案したりするためのネタ集め」が20.3%となりました。
また、17.1%の人は「いつか行くご褒美や特別な体験としてストック」しており、未来の自分のための自分専用データベースとして活用していることがわかります。
私自身、「ここいつか行きたいな」という場所を何か所か保存しています。実際に行くことができた場所もありますが、いざ「外食しに行こう」というときには忘れてしまっていることもあるため、保存したことを覚えておく必要もありますね。
5. 膨大な選択肢から「自分好み」を絞り込む:飲食・サービス業の現状
Z世代が「事前検索」や「情報のストック」を重視する背景には、飲食店がとても多いことも関係しているかもしれません。
総務省統計局が公開している産業横断的集計「事業所に関する集計・企業等に関する集計」から、飲食店事業所数を見てみましょう。
合計
- 事業所数: 5,156,063(構成比 100.0%)
- 従業者数: 57,949,915人(構成比 100.0%)
農林漁業(個人経営を除く)
- 事業所数: 42,458(構成比 0.8%)
- 従業者数: 453,703人(構成比 0.8%)
鉱業,採石業,砂利採取業
- 事業所数: 1,865(構成比 0.0%)
- 従業者数: 19,697人(構成比 0.0%)
建設業
- 事業所数: 485,135(構成比 9.4%)
- 従業者数: 3,737,415人(構成比 6.4%)
製造業
- 事業所数: 412,617(構成比 8.0%)
- 従業者数: 8,803,643人(構成比 15.2%)
電気・ガス・熱供給・水道業
- 事業所数: 9,139(構成比 0.2%)
- 従業者数: 202,149人(構成比 0.3%)
情報通信業
- 事業所数: 76,559(構成比 1.5%)
- 従業者数: 1,986,839人(構成比 3.4%)
運輸業,郵便業
- 事業所数: 128,224(構成比 2.5%)
- 従業者数: 3,264,734人(構成比 5.6%)
卸売業,小売業
- 事業所数: 1,228,920(構成比 23.8%)
- 従業者数: 11,611,924人(構成比 20.0%)
金融業,保険業
- 事業所数: 83,852(構成比 1.6%)
- 従業者数: 1,494,436人(構成比 2.6%)
不動産業,物品賃貸業
- 事業所数: 374,456(構成比 7.3%)
- 従業者数: 1,618,138人(構成比 2.8%)
学術研究,専門・技術サービス業
- 事業所数: 252,340(構成比 4.9%)
- 従業者数: 2,118,920人(構成比 3.7%)
宿泊業,飲食サービス業
- 事業所数: 599,058(構成比 11.6%)
- 従業者数: 4,678,739人(構成比 8.1%)
生活関連サービス業,娯楽業
- 事業所数: 434,209(構成比 8.4%)
- 従業者数: 2,176,139人(構成比 3.8%)
教育,学習支援業
- 事業所数: 163,357(構成比 3.2%)
- 従業者数: 1,950,734人(構成比 3.4%)
医療,福祉
- 事業所数: 462,531(構成比 9.0%)
- 従業者数: 8,162,398人(構成比 14.1%)
複合サービス事業
- 事業所数: 32,131(構成比 0.6%)
- 従業者数: 435,970人(構成比 0.8%)
サービス業(他に分類されないもの)
- 事業所数: 369,212(構成比 7.2%)
- 従業者数: 5,234,337人(構成比 9.0%)
2021年6月1日現在の国内における民営事業所数は合計で515万6063事業所あるなか、「宿泊業,飲食サービス業」は59万9058事業所で、11.6%にのぼります。
飲食店のみではなく宿泊業も含まれていますが、122万8920事業所ある「卸売業,小売業」に次いで、全産業の中で2番目に大きな割合を占める規模となっています。
このように飲食サービス業が多くある現状では、私たち利用者は星の数ほどあるお店の中から、一つのお店を選ばなければなりません。Z世代の「ストック消費」は、限られた「外食」という機会を最高のものにするために、SNSを活用して信頼できる情報を比較する行動だと言えるでしょう。
6. まとめにかえて
Z世代のお店選びは「Instagramでの視覚的な情報収集」と「情報のストック・比較」が軸になっていることがわかりました。
たくさんある飲食店から、自分が求める一店舗を探すため、写真や利用者の生の声を見ることは重要です。また、公式アカウントからの情報も、最新の正確な店舗情報を知るために求められているでしょう。
そして、比較検討のためにも、SNSから得た情報をまとめる「ストック消費」が一般的になっているようです。
様々な店舗の比較は、最後にはSNSに書かれた情報で決まっているといえるでしょう。
参考資料
LIMO・U23編集部