4. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】75歳を境に変わる暮らしとお金
75歳を迎えると、高齢期のなかでも生活と家計の性質が大きく変わります。
働いて収入を得る段階はすでに終わり、家計は年金収入を中心に組み立てられるようになります。同時に、医療や介護といった支出が、これまで以上に家計へ影響を及ぼすようになります。
4.1 制度面
制度面では、75歳から「後期高齢者医療制度」に移行します。
医療費の自己負担割合は原則1割ですが、一定以上の所得がある世帯では2割、現役並み所得がある場合は3割となり、同じ75歳以上でも負担感に差が生じます。また、医療費がかさみやすくなる年代であることから、自己負担の増減は家計に直結します。
この制度については、次の段落で詳しくご説明していきます。
4.2 収入面
収入面では、公的年金がほぼ唯一の安定収入となる世帯が大半です。
厚生年金か国民年金か、夫婦ともに受給しているかどうかによって、世帯全体の年金額には大きな開きがあります。75歳以降は収入を増やす手段が限られるため、年金額の差はそのまま生活水準の差として表れやすくなります。
4.3 支出面
一方、支出の中身にも変化が見られます。
現役時代に比べて交際費や被服費は減る傾向にあるものの、食費や光熱費といった基礎的な生活費は大きく下がりません。加えて、医療費や介護関連費用が徐々に増え、月ごとの支出が不安定になりやすい点も後期高齢期の特徴です。
このように、75歳以降の家計は「収入が固定化され、支出が読みづらくなる」という構造を持っています。
著者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)